1997 Fiscal Year Annual Research Report
情報が分散共有された社会状況における多様な認知の学習過程の分析とその基礎理論
Project/Area Number |
09780408
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 真吾 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20216724)
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Keywords | コンフリフト / ハイパーゲーム / 遺伝的アルゴリズム / 学習 / 認知 / 情報生成 |
Research Abstract |
本研究では、社会状況に含まれる各主体の状況に対する認知が異なることから生じるコンフリクトをハイパーゲームの枠組みで記述し、そのゲームを繰り返すことで各主体が持つ認知を学習していく過程を遺伝アルゴリズムを用いて分析した。特に本研究で明らかにしたかった点は、ゲームを繰り返す中で以前のゲームの結果をどのように評価し次のゲームにおける利得行列に反映させる際,過去の研究では行われていない並列同時的な認知の改善の方法を探ることであった。 その結果、学習に成功した遺伝的アルゴリズムにおける適応度関数では、個々のゲームで得られた利得だけを利用するのではなく,最頻値情報,分布情報を利用しており、ゲームが行われる状況に関する情報であると考えられる。すなわち,今の情報に合わせて解釈された状況全体についての情報である.これらはまたゲームを行う「場」に関する情報とも考えられ、場の情報は認知の学習における「情報生成」にとって本質的な要素となっている.これは本研究における知見である。 本研究ではその他に、ゲームを行う初期集団に学習結果がどのように依存するか、また適応度関数のさまざまなパラメータに関する感度分析などについての知見が得られた。 これらの知見をまとめ、経営情報学会において研究発表を行った。
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