1997 Fiscal Year Annual Research Report
生産システムに対するロバストな生産計画に関する研究
Project/Area Number |
09780413
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森川 克己 広島大学, 工学部, 助手 (10200396)
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Keywords | 生産計画 / スケジューリング / 不確実性 / 確率的計画法 / 線形計画法 |
Research Abstract |
平成9年度においては,生産システム内外のいくつかのパラメータが不確実な場合に対し,それらの実現値にあまり影響を受けないロバストな生産計画をいかにして作成するかについて,特に製品需要予測の不確実性と,スケジューリングにおける処理時間の不確実性を取りあげて研究してきた。 需要の不確実性に着目した生産計画の作成方法については,実現するであろう需要量とその実現確率の組をシナリオとして表し,ロバスト最適化の枠組みに沿いつつ確率的計画法により線形計画問題へとモデル化した。また,生産計画作成時点で,ある程度の能力余裕を確保しておき,需要の実現状況に応じてその確保能力を利用する方法が在庫の削減に有効な場合のあることを確認した。数値計算実験においては,補助金で購入したワークステーションにより,シナリオ数5程度までの問題については直接的に最適解を得ることができたが,より規模の大きな問題に対しては,Bendersの分割法により対象問題を小問題に分割して解く方法が有効であることを確かめた。なお,補助金によるソフトウェアならびにハードウェアを利用して,制約条件ならびに決定変数が1万程度の中規模な線形計画問題を直接的に解くプログラムを開発したが,これは関連研究者にも利用できるよう,説明書等が整備できしだい広く公開する。 スケジューリング問題においては,同じ評価基準値を達成するスケジュールであっても,処理時間の不確実性への対応力に違いが生じうる場合のあることを明らかにするとともに,意図的な遊休をはさむことで不確実性の影響を和らげる手法について基礎的な考察を行った。
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