1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780414
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
曽 道智 香川大学, 経済学部, 助教授 (60284345)
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Keywords | 紛争 / 公平 / 非協力ゲーム / 協力ゲーム / ケーキ分割 / 仲裁 / アルゴリズム |
Research Abstract |
紛争問題をケーキ分割モデルに帰着することによって公平解決案を研究する。ケーキ分割モデルでは、n人(プレーヤーという)が一個のケーキを分割する。各人がケーキの各部分に関して、違う好みがあるかもしれない。その好みはプレーヤー自身の私的な情報であり、他のプレーヤーには分からない。各プレーヤーの私的な情報を使うことのない分割方法(アルゴリズム)をいかに設定するのかが問題である。そのようなアルゴリズム自身はプレーヤーのケーキに関しての好みの情報を使わないものの、それによりケーキをどう分割すれば、各人とも自分の好みで不満が出ないことが要求される。2人の場合であれば、次の手順がある。一人にケーキを2部分に切らせて、もう一人にそのすきな1部を選ばせるだけで、両方とも満足できることが知られている。研究実績の1番目はこの方法をn人まで拡張した。 2番目と3番目の研究成果は協力ゲームに関する研究である。この種の研究は資源・コスト配分などの紛争を解決するのに大きな役割を果たしている。協力ゲームにおいて、いくつかの公平解概念がすでに提案された。ところが、その解が実際に計算可能かどうかは大きな問題になっている。本研究は計算複雑性の角度から各解概念を比較した。 4番目の研究成果は紛争者が互いに異なる情報を持つときに、様々な仲裁ルールのオファーの収束問題を検討するものである。結果として、本人が最近提案した仲裁ルールDOAがほかの仲裁ルールより優れていることが分かった。
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[Publications] Shishido H.and Zeng D.-Z.: "Mark-choose-cut algorithms for fair and strongly fair division" Group Decision and Negotiation. (掲載予定).
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[Publications] 永持仁, 牧野和久, 曽道智 村田真紀, 茨木俊秀: "初等的フローゲームの凸性について" 電子情報通信学会論文誌A. (掲載予定).
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[Publications] Nagamochi,H. Zeng D.-Z. Kabutoya N. and Ibarki T.: "Complexity of the minimum base game on matroids" Mathematics of Operations Research. Vol.22,No.1. 146-164 (1997)
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[Publications] Zeng,D.-Z. and Ibaraki T.: "Arbitrations when players have different information" 香川大学経済論叢. Vol.70,No.1. 55-95 (1997)