1997 Fiscal Year Annual Research Report
大域最適化手法による離散的な最適化問題の実用的なアルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
09780415
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
施 建明 東京理科大学, 経営学部, 助手 (70287465)
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Keywords | 最小極大流問題 / 極大フロー / 最小極大マッチング問題 / 最小ノルム点問題 / ポートフォリオ最適化 |
Research Abstract |
本論研究は主にネットワーク・フロー問題、計算幾何学などに関する幾つかの非凸最適問題を扱っている。この研究の目的は扱っている問題に対して効率的なアルゴリズムを提案することである。初めのテーマとしては最小極大流問題を取り上げている。与えられたグラフG(V,E)とネットワークN(G,c)に対して、以下の条件を同時満たすNの実行可能フローζ′が存在しないとき、我々はNの実行可能フローζをNの極大フローという:1)任意のe∈Eに対してζ′(e)【greater than or equal】ζ(e)が成立する,2)ζ′(e)≠ζ(e)が成立するe∈Eが存在する。最小極大流問題とは極大フローの中で最も値の小さいフローを見付け出す問題である:γ^*=min{ζの値|ζはNの極大フローである}。我々はネットワークフローの各枝に対して下限を入れて問題を解くことに試みる。Nが連結かつ閉路を含まなければ、この問題が凹関数を多面体の上で最小化することと等価であることが分かった。大域最適化の手法を用いてこの凹関数の最小値とその解を出すのは基本的な考え方である。フローの下界値を改良し最適解を求める二つのアルゴリズムを提案している。応用としてこの問題の特別なケースである最小極大マッチング問題も取り上げている。これによって、最小極大流問題はNP-困難であることを示した。提案したアルゴリズムに対して数値実験も行なっている。Nの枝の本数をmとすると、平均計算時間はおよそO(m^6)であるという結果を得た。二番目の研究テーマとしては計算幾何学の問題である最小ノルム点問題を取り上げている。最小ノルム点問題は凸計画の問題であるが、扱っている問題の実行可能領域は与えられた複数の点の凸包とあるアフィン部分空間のわりであるという特徴を持っている。複数の点からできた凸包を不等式で表すという効率の悪い手法を避けるため、アフィン部分空間の制約のない最小ノルム点問題に対する既存の解法を拡張してアルゴリズムを提案している。このアルゴリズムはマルコビッツのポートフォリオ最適化問題に応用で、その適用方法も示している。提案しているアルゴリズムに対して、ランダムデータに対する数値実験と実際の日経225データによる数値実験を行ない、この有効性を
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Jianming Shi: "A global optimization method for minimum maximal flow probelm" ACTA Mathematica Vietnamica. 22. 271-287 (1997)
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[Publications] Jianming Shi: "A parametric algorithm for the minimum norm point problem under a linear constraint and its applications to portfolio optimization" Asia-Pacific Journal of Operational Research. 15(発表予定). (1997)