1997 Fiscal Year Annual Research Report
双向グラフ上の最適化問題とその解法・多面体的構造に関する研究
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09780416
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田村 淑子 東京理科大学, 工学部, 講師 (60291704)
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Keywords | 双向グラフ / 安定集合問題 / claw-freeグラフ / 多面体的アプローチ / 0,±1行列 / アルゴリズム / 数え挙げ / パ-フェクト性 |
Research Abstract |
本研究計画は,双向グラフの最適化問題の解集合のなす多面体の構造や問題自身の複雑さの解明とその解法(アルゴリズム)の開発に関して理論的な結果を得ること最大の目的である。具体的には 1.「双向グラフに対する補グラフの構築」 2.「無向グラフの双向化に関する研究」 3.「claw-free双向グラフに対する一般化安定集合問題の解法」 4.「双向グラフのパ-フェクト性の0,±1行列への拡張」 5.「一般化安定集合問題以外の最適問題の双向グラフへの拡張と解法の研究」 が目標であった.これを達成するために本年度は以下のように研究を行った. 1.,2.については,早期に双向グラフの提案者の一人であるEllis Johnson教授とディスカッションする機会を設け,去年度,既に得られている成果について報告し,アドバイスをもらった.特に,2.については非常に興味を持ち,購入したパーソナルコンピューターを用いてある程度小さなグラフに関して双向化の方法を数え上げる実験を行ない,正しいであろうという確信を持つに至ったが,残念ながら理論的に証明する方法はまだ得ていない.しかし,かなりの数の具体例を生成することが出来たので,データを整理することによって,何かの指針は得られると思われる.1.については,やはり計算機で例を生成してみたが,残念ながらいいアイデアがなかったのが現状である. 3.については,電気通信大学の田村,中村の二人が今年度,その成果を発表し,4.についても現在,北陸先端科学技術大学院大学の客員研究員のCepekが成果を発表していることがわかった.いずれについても,機会を設け,話しを聞くことができた.先を越されてしまった格好になったが,関連したテーマで成果が得られたことは非常に興味深い.特に,Cepekとは知り合う良い機会であったと思っている.
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