1997 Fiscal Year Annual Research Report
磁性体粒子を用いた微粒子プラズマにおける振動および波動の励起に関する研究
Project/Area Number |
09780427
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
斎藤 和史 宇都宮大学, 工学部, 助手 (70251080)
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Keywords | プラズマ / 微粒子 / 磁性体 / 直流放電 / 熱陰極フィラメント / RF放電 / レーザー計測 |
Research Abstract |
本年度は,微粒子プラズマの実験を行うために,熱陰極フィラメントによる直流放電を用いた実験装置を新たに作製した.良く知られているように,直流放電プラズマはいわゆる「静かな」プラズマであり,振動や波動に関する基礎実験を行うのに向いているものである.この新たに作製した実験装置を用いて,磁性体微粒子および比較・予備実験としての非磁性体微粒子の両方について,それらのプラズマ中における振舞に関する実験を行った. 現時点では,微粒子が磁性体であることによる特徴的な振動や波動は観測されていない.これは,プラズマ中で微粒子をうまく浮揚させることができていないことが一つの要因である考えられる.本年度試みたいくつかの微粒子材料を用いた実験では,プラズマ中の微粒子の電荷がさほど大きくならないようであった.従ってこれらの微粒子材料では,当初計画していたような,プラズマ中に挿入したグリッドに電場を印加するだけというR.L.Merlinoらの方法では,微粒子に働くクーロン力が弱いために微粒子をプラズマ中に浮揚させることが困難であると考えられる.彼らの方法は,RF放電プラズマのようにもともと強い電場が存在している系において有効であると考えられる.現在,微粒子を浮揚させるための新たな方法を開発中である. また,現時点では測定にLangmuirプローブを用いている.これは,プラズマの変動を通して微粒子の挙動を観測していることになる.しかしながら,これだけでは微粒子の測定には不十分だと考えられるため,レーザー光を用いた比較的安価な計測装置を開発中である.
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