1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780431
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋田 美栄子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273219)
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Keywords | 非線形波 / 磁気音波 / 粒子加速 / 多種類イオン / 太陽高エネルギー粒子 / 化学組成 / 重イオン加速 / 無衝突減衰 |
Research Abstract |
大振幅磁気流体波は、宇宙および核融合プラズマの高エネルギー現象において本質的な役割を果たすものと考えられている。本研究では、天体プラズマと同様に主成分を軽イオン、副成分を重イオンとするプラズマを対象とし、大振幅磁気音波による重イオンの加速について、理論および計算機シミュレーションによる研究を行なっている。本年度は2つの論文を発表した。以下に、その具体的な内容を示す。 ・多種類イオンプラズマ中の大振幅磁気流体波による重イオンの加速について、粒子モデルに基づく計算機シミュレーションを行なった。主成分イオンを水素、副成分をヘリウム、さらに酸素、炭素、鉄等の少数の重イオンを含んだプラズマを考え、磁気音波の伝播とそれに伴っなって生成される高エネルギー重イオンの化学組成を調べた。軽イオンは磁気音波中の縦電場によって加速されるが、重イオンは横電場によって加速されること、すべての種類の重イオンはほほ同じ割合で加速されることが明かとなった。加速は、背景磁場に対して直角方向に伝播する磁気音波だけではなく、磁場に対して斜めの方向に伝播する波によっても起こることが示された。さらに、シミュレーションで観測された高エネルギー重イオンの化学組成は、太陽フレア-時に生成される高エネルギー重イオンの化学組成とよく似たものであることが分かった。 ・2種類のイオンが存在するプラズマ中を磁場に直角方向に伝播する磁気音波は、プラズマが無衝突である場合でも減衰が起こり得ることを、3流体モデルに基づく計算機シミュレーションによって明らかにした。減衰は重イオンの加速によってもたらされる。重イオンの加速の強さ、減衰率等を定量的に求め、シミュレーション結果とほぼ一致することが確認された。
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[Publications] M.Toida and Y.Ohsawa: "Simulation Studies of Acceleraion of Heavy Ions and Their Elemental Compositions" Solar Physics. 171・1. 161-175 (1997)
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[Publications] D.Dogen, M.Toida and Y.Ohsawa: "Damping of Perpendicular Magnetosonic Pulses in a Two-Ion-Species Plasmas" Physics of Plasmas. (印刷中). (1998)