1997 Fiscal Year Annual Research Report
遅波とヘリコン波の共存する高密度プラズマ生成過程の解明
Project/Area Number |
09780432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂和 洋一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70242881)
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Keywords | へリコン波 / 遅波 / 高密度プラズマ生成 / 低域混成波 / 密度ジャンプ |
Research Abstract |
本研究は、へリコン波放電に特有な密度ジャンプ現象において遅波が重要な役割を果たしていると考え、遅波との競合過程による高密度ヘリコン波プラズマ生成の物理的機構を解明することを目的とした。 実験は、直線型実験装置:HPXを用いて行なった。Arガスを3.5mTorr封入した真空容器の一端にm=0モードのへリコン波の励起に適したダブルループアンテナを設置し、整合器を介して高周波(f=7〜21MHz,P_<rf><3kW)を印加することによって、外部磁場 B_o【less than or equal】1.4kGの範囲でプラズマを生成した。f=7,10,14,17.9,21MHzの各周波数において密度ジャンプの起こる高周波電力(P_<th>)のB_o依存性を調べたところ、f=14,17.9,21MHzではP_<th>はB_oとともに減少したが、f=7と10MHzにおいては、P_<th>はそれぞれB_o〜1と1.3kGにおいて極小値をとった。このB_oの値は低域混成波の共鳴条件を満たす磁場(B_<RES>)に近い値となっており、B_o〜B_<RES>を満たすB_oにおいてP_<th>が最小となっていることがわかった。f=14,17.9,21MHzではB_<RES>>1・4kGとなるためP_<th>の極小値が観測されなかったと考えられる。このように、密度ジャンプは共鳴条件に密接に関係しており、低密度誘導電場生成プラズマ(n_p<10^<12>cm^<-3>)から高密度へリコン波生成プラズマ(n_p>10^<13>cm^<-3>)への大きな密度ギャップを埋めるものとして、低域混成波に近い分散関係をもつ遅波によって生成された中間密度プラズマが存在し、この遅波の励起が密度ジャンプの要因であるというモデルを示した。
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Research Products
(1 results)