1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコン波励起型反応性高密度金属原子混合プラズマの開発と超硬質薄膜合成への応用
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09780435
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (80236108)
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Keywords | 活性化反応場 / ヘリコン波励起プラズマ / 反応性高密度プラズマ / 金属原子混合プラズマ / 超硬質薄膜 / 立方晶窒化ホウ素 / 窒化炭素 |
Research Abstract |
本年度は、ヘリコン波励起型反応性高密度金属原子混合プラズマの開発を主眼において、1)プラズマ源の製作および2)反応性高密度プラズマ生成と診断をサブテーマとして研究を実施した。 まず1)のテーマに関しては、ヘリコン波プラズマ生成が可能な装置構成は概ね完了した。また、スパッタリング系については円筒型のものは完成しているが、ディスク状のスパッタリング系については細部の設計についてさらに検討中である。 2)のテーマについては、本研究で目的としている窒化物系超硬質薄膜合成を行う上で特に重要となる窒素気体中でのプラズマ生成を行い、波動磁場計測を実施して、ヘリコン波の励起伝播特性について調べた。さらに、波動が励起されることにより生成する高密度窒素プラズマ中において、窒素分子の電子衝突解離により高い反応性を有する窒素原子が高い割合で発生可能であることを分光法により明らかにした。また、窒素中でのプラズマ生成においては、この分子解離過程にもパワーが消費されるため磁化プラズマ中でヘリコン波を励起するのに要する投入電力として2KW以上の高出力が必要であった。 このため、実用化を考慮した非一様磁場中での磁場強度分布をアンテナ位置の最適化を行うことにより、ヘリコン波を励起するのに要する投入RF電力のしきい値を従来の50%程度まで低減することに成功した。また、スパッタリングターゲットに負極性の直流バイアスを印加することに伴う影響について調べ、特に基板へ流入するイオン電流密度がターゲットバイアスにより大きく変化することが明らかとなった。現在、次年度での本格的成膜実験に向けて、上述のディスク状ターゲットの詳細設計を含め、成膜システムとしての最適化について検討中である。
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