1997 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプロセスプラズマの一様性における電磁波動の役割
Project/Area Number |
09780439
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上田 洋子 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70274529)
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Keywords | 大口径一様ECRプラズマ / ホイッスラ-波 / 異常波 / ホロー型電子密度分布。 |
Research Abstract |
低ガス圧力(0.1〜10 mTorr)で高い電子密度(>1011cm-3)が得られる電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマはエッチング等のプロセスに不可欠であるが、その密度分布の一様性は圧力、磁場配位、マイクロ波入射パワー等の外部条件に依存する。大口径一様ECRプラズマを安定的に得るため、プラズマ密度分布に及ぼすプラズマ中の電磁波の影響を明らかにすることを目的として実験を行い、以下の成果を得た。 1)磁気ミラー型プラズマ発生装置(直径29cm)に、周波数2.45GHz最大入力パワー5kWのマイクロ波をTE11モードで入射し、電子サイクロトロン共鳴によりECRプラズマを生成した。マイクロ波入射パワーを変化させてイオン飽和電流の径方向分布を測定ところ、電子密度が約10^<11>cm^<-3>まではホロー型または一様分布、それ以上の電子密度ではパラボリック型であった。 2)同条件のもとプラズマ中の電磁波を測定した。通常ECRプラズマにおいて考慮されるのは磁場に平行に伝播するホイッスラ-波だけであるが、電子密度10^<11>cm^<-3>のプラズマにおいてはL波も伝播していることが分かった。また、このときECRポイント後を磁場に垂直方向に伝播する電磁波が存在していることが分かった。これらは分散関係から、高域混成共鳴を持つ異常波であることが分かった。また、一様なECRプラズマの条件では、異常波が径方向に半波長励起されており、これから一様なECRプラズマは異常波のカットオフ条件近傍で得られることが明らかになった。 今後は、次の研究を行う。 1)3次元駆動装置を用いて特にプラズマ真空境界の波動測定を行う。 2)有限要素法によるマイクロ波の有限サイズのチャンパー内での伝播シミュレーションを行う。 以上のことからプラズマと真空の境界において、どのような条件のもとでX波がプラズマ密度分布に効率的に寄与するかを明らかにする。
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