1997 Fiscal Year Annual Research Report
ICP放電プラズマ内の挙動のレーザー計測を用いた研究
Project/Area Number |
09780440
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
BOWDEN Mark 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10260720)
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Keywords | 誘導結合プラズマ / レーザー測定 / 電子エネルギー分布関数 / 非マクスウェル分布 |
Research Abstract |
前年度までに誘導結合型プラズマ(inductively coupled plasma,ICP)の電子温度,密度のレーザー計測を行ってきた。これにより電子諸量の放電条件依存性を実験,理論の両面より明らかにした。さらにレーザートムソン散乱法の大きな特徴である,プラズマの電子エネルギー分布関数が曖昧さなく高精度で測定できることを用いてICPの電子エネルギー分布関数の詳細な測定を行ってきた。この測定結果より,放電条件によってはICPの電子エネルギー分布関数は非マクスウェル分布になる事を初めて明らかにした。 本年度ではこれらの成果を踏まえて,より広範囲な放電条件下での電子エネルギー分布関数を測定した。プラズマ動作圧力,入力電力などの基本的な放電条件を変えるだけではなく,入力電力にパルス変調を加え,電子エネルギー分布関数の時間依存性を測定する事により,詳細な電子エネルギー分布関数の特性を追求しようとした。その結果,電子密度がある一定の値以下の放電条件では電子エネルギー分布関数が非マクスウェル分布となる事を明らかにした。この実験結果を理論から説明するために,電子自己衝突時間,電子エネルギー交換時間などを算出した。これにより非マクスウェル電子エネルギー分布が存在する電子密度について定量的に解釈した。さらに電子エネルギー分布関数の空間分布を計測する事で,非マクスウェル電子エネルギー分布関数の生成機構について検討した。外部磁界を印加する事で電子エネルギー分布関数の関数形が空間的に変化する事を実験的に確認し,プラズマ中の電子エネルギー分布関数の制御の可能性について示した。
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