1997 Fiscal Year Annual Research Report
高断熱効率を有する非平衡ディスク形MHD発電機の開発
Project/Area Number |
09780453
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
末包 哲也 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30262314)
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Keywords | MHD発電 / クローズドサイクル / ディスク型発電機 / 断熱効率 / 断面積比 |
Research Abstract |
既存の発電機に、澱み点圧力測定用のピト-管の制作と設置を行った。本研究の目的である高断熱効率の実証には、断熱効率を正確に測定する必要があり、そのためには発電機内部での澱み点圧力を正確に計測する必要がある。発電機内の流れは電流と磁場との相互作用により、ローレンツ力を受け、旋回する。この旋回成分の予測が困難であるために、圧力測定用のピト-管にはピト-管方向に対して流れの偏りが大きい場合でも計測できるようにピト-管の種類を選定した。これらのピト-管と磁場中でも正確な測定が行える圧力半導体素子、ピエゾレジスティブアンプを用い、測定試験を行った。発電流路には、セシウムを添加したヘリウムを作動気体に用いて、38%のエンタルピー抽出率を実証した、衝撃波管駆動のディスク形MHD発電実験装置を用いた。衝撃波管装置によって澱み点圧力0.4MPa、澱み点温度2000Kの超音速ガス流を数ms流すことができる。定常状態は数msと短時間ながら、非発電時において、理論的予測と合致する計測結果が得られ、十分な時間分解能で澱み点圧力を正確に計測できていることが確認された。 発電機の断面積比を変更する加工を行った。来年度はこの発電機と計測装置を用い、実際に発電実験を行い、小さな断面積比によって、発電性能と断熱効率がどのように変化するか実験的に調べていく予定である。また、既存の実験装置の条件に対して、断熱効率を高め、同時に高いエンタルピー抽出率が得られるように断面積比の最適化を行っていく予定である。
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