1997 Fiscal Year Annual Research Report
改質CFC材を用いたダイバータ板の熱粒子の制御に関する基礎実験および解析
Project/Area Number |
09780463
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 一郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80238568)
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Keywords | 高熱流束機器 / ダイバータ板 / ボロン転化CFC / シリコン転化CFC / 有限要素法解析 / 熱伝達相関式 |
Research Abstract |
本研究では、ダイバータ部の熱負荷および粒子負荷によるダイバータ板の損耗とそれに対するプラズマへの影響について解析を行い、実機において適用可能なダイバータの構造および性能についての考察を行うことを目的としている。第一年目として、ダイバータ板の冷却構造および除熱特性について考察した。 銅のヒートシンク材と炭素繊維複合材(CFC材)を冶金的に接合したダイバータモックアップを作成した。CFC材の表面をボロン化およびシリコン化した転化CFC材、シリコン転化CFC材を用いたモックアップも作製した。まず、これらの熱特性を評価した。 同じ熱負荷に対して、ボロン転化CFC材を用いたダイバータ接合体の表面温度が最も高く、改質を行わないCFC材を用いた接合体のものが最も低かった。これは、CFC材の熱伝導率に対応している。また、照射促進昇華を抑制するという観点からCFC材の表面温度が1000℃に達する熱流速を評価すると、ボロン転化CFC接合体が約8MW/m^2、シリコン転化CFC接合体が約10MW/m^2、改質を行っていないCFC接合体が約11MW/m^2であった。熱負荷にさらされたダイバータ接合体の改質CFC材の表面近傍のボロンあるいはシリコン濃度は、各々約600℃、800℃以上に表面温度が上昇した場合に減少傾向が見られた。しかしながら、ごく表面層にとどまり、接合体全体の熱伝導特性に劣化は見られなかった。 また、既存の熱伝達率相関式を用いて、有限要素法解析をおこなった。実験を行った接合体の熱伝達率は、荒木(JAERI)等によって提唱されている片面加熱条件下での相関式が適していることを見いだした。
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