1997 Fiscal Year Annual Research Report
高熱流束プラズマによるタングステン表面の損耗・変質及び再堆積
Project/Area Number |
09780465
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
叶 民友 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10270985)
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Keywords | ダイバープラズマと材料表面相互作用 / プラズマ電位分布 / 熱電子放出 / シース構造 / プラズマ熱流束集中 / 材料表面に高温輝点形成 / 高熱流プラズマ照射 / タングステン表面の損耗・変質 |
Research Abstract |
名古屋大学工学部の直線型の高熱流プラズマ発生装置NAGDIS一Iを用いて、高熱流プラズマ照射による熱電子放出高温タングステン材料表面での高温輝点形成及び表面特性変化の評価について調べた。 本実験では、厚さ0.1mm,100mm四方のタングステン・ターゲット板を磁力線に垂直に挿入し、ヘリウムプラズマ熱流を逐次増大させることでターゲット板温度を上昇させてゆき、状態遷移を観測した。実験の結果、タングステン板が熱電子放出に十分な温度(2600K)まで加熱されたとき、ターゲット板の浮遊電圧は69Vから42Vまで急激に減少し、低温状態(2600K)から高温状態(3200K)への状態遷移を起こすことがすでに観測されている。遷移後ターゲット板温度が3200K付近までしか上昇していないが、実際にはタングステン板中心付近が溶融し穴が空いたため、タングステンの融点3600K程度に上昇したと考えられる。高熱流束プラズマ下での熱電子放出高温材料表面での高温輝点形成に関する研究について、実験及び数値解析の両面から、以下の点を明らかにした。 (1)空間電位の分布によってプラズマ熱流束は中心部に収縮し、ターゲット坂上の温度分布はプラズマ熱流束の分布とターゲット板面方向の熱伝導および熱放射のバランスで決定され、熱伝導効果が有効でない場合は中心部に高温度部分が形成されることが分かった。強烈な熱電子放出が局所的に生じたとき、局所的にシース電圧が減少し、シースを通した局所的な電子流が増加する。この局所的熱負荷促進の結果、局所的なターゲット板温度の急激な上昇及び局所的な高温輝点の成長が起こる。 (2)高温輝点の形成及び成長は、材料表面熱電子放出特性だけでなく非線形な形でプラズマ熟流束の大きさにも存している。また同様に高温輝点と接するフラックスチューブへの、磁場を横切る方向の熱輸送も依存しており、これらは非線形プラズマ材料系の構造形成の一種である。 また、高熱流プラズマ照射したタングステン系材料表面特性変化について、以下の点を明らかにした。 (1)ヘリウムプラズマ照射後タングステン材料表面に直径1-5μm程の無数の穴があり、表面が波打ったようになっていた。 (2)タングステン板上のヘリウムプラズマが照射されていた領域の外側に黒い煤状の粒子が堆積を観測した。 (3)タングステン表面の微細構造の変化に対するイオン種の依存性を観察した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Y.Ye et al.: "Study of hot tungsten emissire plate in hign heat flux plasma on NAGDIS-I" T.Nucl.Mater.241-243. 1243-1247 (1997)
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[Publications] S.Takamura et al.: "Hot flows through plasma sheaths" Phys.plasmas. 5. (1998)
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[Publications] T.Kuwabara: "Enhancement of plasma heat flow to the Conductive divertor plate associated with cross field potential variation and thermoelectron emission" Contrib.Plasma Phys.(1998)