1998 Fiscal Year Annual Research Report
開発による健康への影響に関する数理モデルの一般化とその日本の一地域への適用
Project/Area Number |
09780489
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中澤 港 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40251227)
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Keywords | 環境開発 / 健康影響 / マイクロシミュレーションモデル / パプアニューギニア / 東京湾 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き木更津周辺と館山周辺で水サンプルを採取し,分析を進めたが,事情により健康調査は実施に至らず,今後実施する予定である。昨年度ギデラ族のモデルを一般化したが,死亡モデルをより現実に近づけるための改良を行い,またアルゴリズムの改良によってシミュレーション速度を向上させることに成功した。すなわち,死亡モデルについては,従来年齢別死亡ハザードのみを考慮する単純な加速モデルであったが,GAVRILOV and GAVRILOVA(1991)の雪崩モデルを応用して,個人レベルの機会的な故障蓄積に応じて死亡への雪崩がある確率で起こるという形に変更した。この確率が環境依存で変化するように設定することによって,これまで困難であった環境モデルの人口モデルへのダイナミックな結合に成功した。 Alphaチップを使ったコンピュータで高速にシミュレーションを行うためのシステム設定は完了し,いくつかの条件についてシミュレーションを行ったが,検討すべき条件が多岐にわたるため,今のところ新しいモデルを東京湾周辺の人口に適用するには至っていない。この予定の遅れは,高速なシミュレーションのための技術そのものが一般的でないため,ソフトウェア面で独自の開発を行う必要があったためであり,今後条件検討を完了次第,実データの適用を行う予定である。
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[Publications] 中澤 港: "シミュレーション人口学-入門以前" 数理生物学懇談会ニュースレター. 第26号. 50-64 (1998)
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[Publications] Nakazawa,M,et al.: "Malaria infection and human behavioral factors: A stochastic model analysis for direct observation data in the Solomon Islands" American Journal of Human Biology. Vol.10(6). 781-789 (1998)
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[Publications] 大塚柳太郎,中澤 港: "地域生態系とヒト-マラリア伝播過程を中心に" 今日の感染症. Vol.17(3). 6-9 (1998)
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[Publications] Nakazawa,M.et al.: "Ishii,A.,N.Nihei and M.Sassa,[Eds.] Malaria Research in the Solomon Islands" Malaria and its human ecological relations in East Tasimboko,Solomon Islands., 192 (1998)