1997 Fiscal Year Annual Research Report
廃水処理有用微生物群の集積保持条件解明に関する研究
Project/Area Number |
09780507
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西村 文武 愛媛大学, 工学部, 講師 (60283636)
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Keywords | 都市下水処理 / 生物学的硝化 / 付着微生物反応器 / 生物処理 |
Research Abstract |
廃水処理有用微生物群の集積保持条件について、本年度では栄養塩除去、なかでも窒素除去に関する細菌群の集積保持特性について実験的検討を行った。 廃水処理、特に都市下水の処理においては硝化菌保持のために好気槽内に微生物付着担体が投入される。担体付着微生物による処理を効率的に行わしめるためには、付着微生物と処理対象物質やそれに関与する溶存酸素が効率的に接触する必要がある。そのためのひとつの方法として接触面での液流速を大きくし、境膜厚さを小さくとる必要がある。しかしながら液流速を大きく設定するにつれて微生物の剥離も促進される可能性があり、微生物と処理対象物質が十分に接触できかつその場に付着増殖するには、適切な範囲が存在するものと考えられる。本年度では特に固定床型反応器と対象とし、そこでの硝化菌の集積保持条件としての担体表面流速の影響について検討を加えた。 実験には、曝気による液混合攪拌の影響を除く目的で曝気槽および生物反応槽を別々に設けかつ反応槽内の流速を一定に設定できるように両者をマグネットポンプで連結した反応器を用いた。接触担体としてポリウレタンフォームを用い、反応槽での体積充填率が10%となるように投入・固定した。水温20°C、HRT6時間の条件下で、反応槽内液の平均循環流速が4.7から21.9m/minの範囲内で、アンモニア性窒素濃度を30(mgN/L)含有する人工下水の処理実験を行い硝化菌の付着特性並びに付着微生物活性に及ぼす影響について検討した。その結果、平均循環流速が4.7から21.9(m/min)の範囲内では循環流速が大きくなるほどアンモニア酸化菌の場合では0.008〜0.014(1/h)、亜硝酸酸化菌の場合では0.005〜0.009(1/h)の範囲で比増殖速度が増加することがわかり、この範囲では循環流速を大きくとることが硝化をより早く発現させうることが示された。
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