1997 Fiscal Year Annual Research Report
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09780516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石原 淳 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80250413)
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Keywords | 昆虫摂食阻害物質 / アザジラクチン |
Research Abstract |
アザジラクチンはインドセンダンから得られるトリテルペノイドであり、強力な昆虫食物摂取阻害活性を有するが、人畜には全く無害であり残留性も低いことから、新世代の農薬として大いに注目されている。本研究ではアザジラクチンの構造活性の相関関係およびその作用機構を解明するべく、効率的な合成経路の確立と光学活性体としての全合成の検討を行った。アザジラクチンはデカリン部位とジヒドロフランアセタール部位の二つのセグメントから構成されており、両セグメントを光学活性体として合成することを計画した。 既にデカリン部位の合成は、不斉還元反応を用い光学活性二級アルコール合成した後、Diels-Alder反応とによりその骨格合成を達成した。このデカリン化合物の官能基化と短工程化を行なうために、さらなる合成経路を検討した。マロン酸エステルを原料とし、不斉アリル化反応により高い鏡像体過剰率にて重要中間体を与えた。またジヒドロフランアセタールは、シクロペンタジエンとアクリル酸誘導体を用いた不斉Diels-Alder反応を鍵反応とし検討を行った。このDiels-Alder付加体はBaeyer-Villiger反応等を経て、ビシクロ[3.2.1]骨格を有するラクトンへ変換が可能であることが判明した。 本研究で得られた化合物はいずれもアザジラクチンの全合成のための重要中間体であると位置づけられ、現在各々のセグメントの結合および全合成に向けて検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J,Ishihara: "Conversion of Prelaureatin into Laurallene,a Bramo Allene Comporuds,by Enzyinatic and Chemical Bi-cino-Ether ification Reactions" Tetrahedron. 53・25. 8371-8382 (1997)
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[Publications] J.Ishihara: "Asymmetric Total Synthesis of Synngolide 1,a Nonproteinacesus Elicitor" Tetrahedron. 53・47. 16029-14040 (1997)
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[Publications] N.Kanoh: "Synthetic Stady on Azadrachtin:Asymmetric Synthesis of the Tetracyclic Decalin Part of Azadirachitin" SYNLETT. No.6. 737-739 (1997)
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[Publications] T.Sugimoto: "The First Construction of the B,C,D-ning Fragment of Pinnatoyins via Highly Stereocontrolled Acetlization" Tetrahedron Letters. 38・42. 7379-7382 (1997)
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[Publications] J.Ishihara: "Total Synthesis of(-)-Verrucarol,a Componeut of Naturally Occuning Verrucarin A" Tetrahedron Letters.38・48. 8311-8314 (1997)
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[Publications] J.Ishihara: "Synthetic Study on Gymnodinine:Highly Stoeosclectire Construction of Substituted Tetrahycho feeron and Cycheheyene Meieties" SYNLETT. No.12. 1417-1419 (1997)