1998 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素ラベルリガンドとレセプターとの相互作用に関する研究
Project/Area Number |
09780521
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
門出 健次 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40210207)
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Keywords | フッ素 / レセプター / アセチルコリン / 個体NMR / PCP |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、さらに局所麻酔薬であるペンサイクリジン(PCP)誘導体の合成を行った。シクロヘキサノンにピペリジンを作用させ、シッフ塩基とした後、これに種々のフッ素グリニャール試薬を作用させ、フッ素PCP誘導体を得た。生理活性試験及び安定度試験を行ったが、昨年度発見した、m-CF_3-PCPを越える誘導体は得られなかった。次に、m-CF_3-PCPを用いて、ニコチン性アセチルコリンレセプターとの結合実験を試みた。まず、詳細な結合条件の検討を行った。次に、m-CF_3-PCPを結合させ、個体NMR(SS-NMR)によるフッ素シグナルの観測を試みたみた。Enriched membrane protein 10mg(約20%がnAChR,ca 7 nmol)にm-CF_3-PCP(2μl of 5mM solution)をTorpedo salines中で結合さた。次により強力なアンタゴニストであるTCPを加え、シグナルの変化をSS-NMRで観察した。予備実験の結果、43 KDa proteinをアルカリ処理により除いたレセプターに結合したm-CF_3-PCPのフッ素シグナルが観測され、このシグナルはTCPの投与により消失する事が確認された。また、43 KDa proteinを残したままのレセプターにもCF_3基に由来するシグナルを観測することができた。 また、距離測定のモデル化合物の再検討を行った。フッ素キノリン誘導体が距離測定に最適であることを発見した。更に距離測定の際、問題となる非フッ素誘導体による希釈の方法についても詳細な検討を行った結果、共結晶化が最も有効であることを発見した。
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[Publications] R.Baur: "Phytoalexins from Brassica(Cruciferae)as oviposition stimulants for the cabbage root fly,Delia radicum" Chemoecology. 8. 163-168 (1998)
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[Publications] T.Jin: "Synthesis and optical resolution of a fluorescent chiral calix[4]arene with two pyrene moieties forming an intramolecular excimer" Chem.Commun.1998. 1357-1358 (1998)
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[Publications] K.Monde: "Organochlorine Compounds from a Terrestrial Higher Plant: Structures and Origin of Chlorinated Orcinol Derivatives from Diseased Bulkbs of Lilium maximowiczii" J.Nat Prod.61. 913-921 (1998)