1997 Fiscal Year Annual Research Report
糖質の立体構造を反映するポルフィリン-糖複合体の合成と機能
Project/Area Number |
09780526
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹内 正之 九州大学, 工学部, 助手 (70264083)
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Keywords | ポルフィリン / 糖質 / ボロン酸 / 電子移動 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
あらかじめMM2計算によってポルフィリン間の二面角が10〜120度になると思われる糖質(フコース、アラビノース、マンノース、グルコース、スレイトール)を選定した。これらの糖質を用いて,不斉ポルフィリンニ量体を合成した。これらの不斉ポルフィリンニ量体ライブラリーについて分光学的手法(吸収、蛍光、CDおよび^1HNMRスペクトル)で詳細なキャラクタリゼーションを行った。更に,分子内の電子移動あるいはエネルギー移動速度の温度依存性、溶媒依存性をポルフィリン環の「二面角」、「距離」の二つのパラメータを用いて評価するために異種金属の挿入を試みた。始めにモノ亜鉛置換錯体の合成を試みたが,亜鉛イオンの様なルイス酸存在下では,ボロン酸-ジオールの結合が解離した化合物が主生成物であった。また,亜鉛が挿入されるポルフィリン部位が2カ所有るために,糖質の構造に由来するHead-Tailの問題が生じる。これらの問題をクリア-するために,ボロン酸修飾ポルフィリンと糖質修飾ポルフィリンとの錯化を利用することにした。3種の位置異性体であるボロン酸修飾ポルフィリン(5,10,15-トリストリル-20-[2-or3-or4-(ジヒドロキシボリル)フェニル]ポルフィン)亜鉛錯体(1a,1b,1c)とD-グルコース,D-フコースで修飾したポルフィリン(2a,2b)を新規に合成した。これらのポルフィリンを塩化メチレン中,脱水条件下で反応させ,6種類のポルフィリン二量体を得た。現在,吸収、蛍光、CDおよび^1HNMRスペクトルを用いて基底状態,励起状態における励起子相互作用の糖種依存性を検討中である。
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