1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫細胞における神経細胞分化誘導とテロメラーゼ活性に関する研究
Project/Area Number |
09780537
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
掛谷 秀昭 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (00270596)
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Keywords | テロメア配列 / テロメラーゼ阻害物質 / TRAP法 / alterperylenol / U937細胞 |
Research Abstract |
最近までに,正常体細胞ではほとんど認められないテロメラーゼ活性が,さまざまな癌組織には高頻度で検出されるといった知見が集まり,癌の形成におけるテロメラーゼ活性化の関与が示唆されている。そこで,テロメラーゼ活性阻害物質を探索するためのバイオアッセイ系を構築し,テロメラーゼ活性阻害物質の探索を行った。 これまでに,テロメラーゼ活性の高感度検出法としてPCRを利用したTRAP法が報告されている。このTRAP法を基にしてwax barrier不要のhot start法やstrech PCRのプライマーを取り入れることにより,微生物代謝産物から簡便かつ定量性良く阻害剤を検出するための探索系を確立した。本研究では,テロメラーゼをヒト白血病細胞U937のS100画分を調製して用いた。 スクリーニングの結果,カビの生産するalterperylenolが阻害活性を示すことを見いだした。alterperylenolはPCR反応を阻害することなく,テロメラーゼ反応を100μM以上の濃度で阻害した。一方,その類縁体であるaltertoxin I(5,6位の二重結合が飽和した化合物)は1mMでも阻害せず,テロメラーゼ阻害活性には分子内のα,β-不飽和カルボニル基が重要であることが示唆された。さらに,alterperylenolをU937細胞へ処理し,細胞レベルでのテロメラーゼ活性に与える影響について検討したところ,U937細胞の生存率に影響を与えない1μMの濃度で,20時間後にtelomerase活性の減少が確認された。以上よりalterperylenolが特異性の高いテロメラーゼ阻害剤であることが明らかになり,今後,癌細胞と正常細胞におけるテロメラーゼの必要性に関する研究に有用であろう。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Kakeya: "Caspase-mediated activation of a 36-kDa myelin basic protein kinase during anticancer drug-induced apoptosis" Cancer Res.58. 4888-4894 (1998)
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[Publications] H.-P.Zhang: "Biosynthesis of 1-aminocyclopropane-1-carboxylic acid moiety on cytotrienin A in Streptomyces sp." Tetrabedron Lett.39. 6947-6948 (1998)
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[Publications] H.Kakeya: "Factumycin and its new derivative RK-1009 enhance threonine-phosphorylation of a 60-kDa protein in Streptomyces griseus" J.Antibiot.51. 963-966 (1998)
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[Publications] H.Kakeya: "Isolation and biological activity of a novel cytokine modulator, cytoxazone" J.Antibiot.51. 1126-1128 (1998)
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[Publications] H.Kakeya: "A novel cytokine modulator containing a 2-oxazolidinone ring produced by Streptomyces sp." J.Org.Chem.64. 1052-1053 (1999)