1997 Fiscal Year Annual Research Report
RNA配列の選択的認識能を保持する新規タンパク質の作製
Project/Area Number |
09780566
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳田 保子 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (10282849)
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Keywords | RNA結合タンパク質 / RNA結合ドメイン / SELEX法 |
Research Abstract |
hnRNP D0タンパク質はUUAGGG繰り返し配列を有するRNAと特異的に結合するが、繰り返し単位中で一塩基置換されたRNAとは有意な結合活性を示さないという、厳密なRNA塩基配列特異的結合能を特徴とするRNA結合タンパク質である。またhnRNP D0には一次構造の中央部に二つのRBDとそのC末端側にグリシンに富む領域、の3つのRNA結合領域が存在すること、アミノ末端側のRBDには、変異スプライシングによると考えられる19アミノ酸フラグメントを含まないもの(D1L)と、含むもの(D1H)の2種類のタンパク質が存在し、これらはC末端側RBD(D2)とともに単独でRNA配列特異的な結合を示すことなどを明らかにしてきた。 そこでhnRNP D0タンパク質の個々のRNA結合ドメイン、特に平成9年度はアミノ末端側RBDの挿入・欠失フラグメントの有無に着目し、これらが最も特異的に認識するRNA配列を、In vitro amplification and selection法を用いて検討した。その結果N末端側のRBDについて、RNA結合ドメイン中の19アミノ酸の挿入・欠失フラグメントの有無により、最も配列特異的に結合するRNA配列が異なることが明らかとなった。すなわちD1L蛋白質に結合するRNA配列中には(U/A)AG(U/A))A配列を含むRNAが多く見いだされ、D1H蛋白質に結合するRNA中にはD1Lと異なるGAAA配列が多く見いだされた。これらはD1LとD1Hとで異なる配列であり、N末端側RBDの配列特異的結合に関与し、ドメインのN末端領域と相互作用をする可能性があると考えられる。
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