1998 Fiscal Year Annual Research Report
RNA配列の選択的認識能を保持する新規タンパク質の作製
Project/Area Number |
09780566
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳田 保子 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (10282849)
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Keywords | RNA結合タンパク質 / RNA結合ドメイン / SELEX法 / 融合タンパク質 |
Research Abstract |
HnRNP D0タンパク質には、二つのRNA結合ドメイン(RBD)と、そのC末端側にグリシンに富む領域、という3つのRNA結合領域が存在し、UUAGGG繰り返し配列を有するRNAと特異的に結合するが、繰り返し配列中で一塩基置換されたRNAとは有意な結合活性を示さないという、厳密なRNA塩基配列特異的結合能をを特徴とするRNA結合タンパク質である。 平成10年度は、前年の研究に引き続き、In vitro Amplification and Selection法を用いて、hnRNP D0タンパク質のC末端側RBD(D2)が特異的に認識するRNA配列について検討を行った。その結果、D2タンパク質が認識するRNA配列中には、4nt程度の短い共通配列がいくつか見出された。これらの配列は、N末端側RBDが特異的に認識するRNA配列に含まれるものとは異なることから、hnRNP D0タンパク質全体のRNA認識能の特異性に関して考察するためには、RBDのどのRNA認識能を優先して機能するか、など、さらに詳細な検討を行う必要があることが明らかとなった。 また、これらのRBDと他の活性を有する酵素と組み合わせることにより、多機能を有するRNA結合タンパク質を作製したときに、これが高いRNA認識能を保持するかどうかを確認するために、これらのドメインとGFPとの融合タンパク質の、大腸菌または動物細胞による大量発現系を作製した。現在大腸菌発現系により得られたタンパク質を用いて、SELEX法により見出された共通配列を有するRNAや、UUAGGG配列を含むRNA、またその他のRNAとの結合活性を検討するとともに、HeLa細胞内でこれらの融合タンパク質を発現させることによるタンパク質の局在化や細胞機能への影響について検討中である。
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