1998 Fiscal Year Annual Research Report
LIMキナーゼ相互作用分子の同定と細胞内情報伝達における機能解析
Project/Area Number |
09780572
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 一政 大阪大学, 医学部, 助手 (60273679)
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Keywords | LIMキナーゼ / LIMドメイン / Two IIybrid法 / Axin / limkain β1 / YGリピート / limkain β4 / 精子形成 |
Research Abstract |
今年度の主な研究成果は以下のとおりである。 1. Two Hybrid法によるLIMK相互作用分子の検索ならびに相互作用の確認:昨年度Two-Hybrid法を用いてLIMキナーゼ(LIMK)相互作用分子のスクリーニングを行った結果、既知・新規合わせて56種ものクローンを同定した。今年度はそれらの相互作用分子の中から興味あるクローンについてGST融合タンパクを用いたin vitroでの相互作用分子の確認を行った。さらに、in vitroでの相互作用が確認できたクローンのついてCOS7細胞にco-transfectionしてin vivoでの相互作用の確認を進めた。 2. LIMK2とAxinの相互作用の解析: LIMK2のLIMドメインをbaitにしてとれたクローンの一つとしてAxinを同定し、その相互作用の解析を行った。Axinは1997年にWntカスケードの阻害因子として同定された分子で、Xeuopusの系で体軸の形成を阻害することが知られている。今回、LIMK2がAxinのC-末端側の領域とin vitroならびにin vivoで結合していることを確認した。さらに、LIMK2のLIMドメインはAxinのβ-カテニン結合領域とDishevelledホモログ領域の間にあるこれまでに機能が知られていなかった領域と相互作用していることを明らかにした。しかしながら、LIMK2の様々な構築をXenopus胚にマイクロインジェクションした結果、体軸形成への影響は見られずLIMK2はAxinの体軸形成以外の機能と関連しているものと推察している。 3. 新規LIMK2結合蛋白質の解析: 昨年度は新規の相互作用分子のうちlimkain β1と名付けた1735アミノ酸の分子の構造および発現解析を行い、そのC末端側にはYGリピートと名付けたチロシン-グリシン残基が保存されている特徴的な繰り返し構造を持っていることを明らかにした。また、limkain β1は成体ではLIMK2と同様に広い組織に発現しているが、初期胚でのin situ解析では神経系に発現が見られ神経系での機能が示唆された。今年度はさらにin vivoでの相互作用の確認、ならびに免疫染色によってlimkain β1は細胞質内に分布するすることを見い出した。また、別の新規クローンとしてLIMK2に結合するlimkain β2、limkain β4の構造および発現解析を行い、そのうちlimkain β4はLIMK2と同様に精巣特異的なバリアントを見い出し、その発現挙動がLIMK2と一致することから精子形成過程における両バリアントの機能的連携が示唆された。
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[Publications] U.Koshimizu et al.: "cDNA cloning,genomic organization and chromosomal localization of the mouse LIM motif-containing kinase,Limk 2 gene." Biochem.Biophys.Res.Commun.241. 243-250 (1997)
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[Publications] T.Takahashi et al.: "Xenopus LIM motif-containing protein kinase,XLIMK,is expressed in the developing head structure of embryo." Develop.Dyn.209. 196-205 (1997)
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[Publications] H.Takahashi et al.: "A Novel Transcript Encoding Truncated LIM Kinase 2 Is Specifically Expressed in Male Germ Cells Undergoing Meiosis" Biochem.Biophys.Res.Commun.249. 138-145 (1998)