1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780574
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 文彦 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70252707)
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Keywords | d2 / β-catenin / wingless / armadillo |
Research Abstract |
yeast two hybrid systemによってβ-catenin蛋白質に結合する遺伝子産物をスクリーニングした結果、Drosophila melanogaster embryoのcDNA libraryから、d2遺伝子が単離された。 d2遺伝子は、Northern Blottingの結果より、mRNA sizeは約4500bpであった。当初two hybrid screeningによって得られたcDNA断片は、約3000bpであったため、5'RACE法を用いることにより、全長cDNAのcloningに成功した。d2 cDNAは全長約4300bpであり、そのアミノ酸配列には、Regulator of G protein Signalling (RGS)にhomologyのある部分、wingless signal componentの一つであるdishevelledにhomologyのある部分が存在した。 in vitroにおける結合実験から、d2遺伝子産物は、β-cateninのDrosophila homologueであるArmadillo蛋白質のarm motifの部分と結合することを確認した。 d2遺伝子産物がwingless signallingに実際に関わっているかどうかを調べるために、d2mRNAをXenopus oocyteにinjectionしたところ、背側構造の形成不全が観察された。 wingless signalは背側構造を形成する上で重要な役割を担う事がこれまでの研究から明らかであることから、d2遺伝子産物はwingless signalを負に制御している可能性が考えられた。 さらにd2遺伝子産物の生理学的機能を明らかにするため、今後Drosophilaの発生遺伝学の手法を用いた解析を進めていく予定である。
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