1998 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼαサブユニットの機能と基質認識機構
Project/Area Number |
09780577
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北田 栄 九州大学, 理学部, 助手 (20284482)
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Keywords | ミトコンドリア / プロセシングペプチダーゼ / 基質認識 / グリシンリッチ領域 / 構造機能相関 |
Research Abstract |
ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ(MPP)のサブユニット機能と分子認識機構を解明するため研究を実施した結果、本年度以下に示すいくつかの新しい知見を得た。 (1) サブユニット協調的な基質認識モデルの提唱 MPPの基質認識メカニズムの解明に向けて基質に蛍光基(プローブ)を導入、酵素複合体で高い親和性(解離定数、約0.1μM)を示した。このことから二つのサブユニットが協調的に基質を認識しているものと考えられる。更に基質の2箇所の塩基性アミノ酸のうち切断点から離れた部分をαが、近い部位をβが認識しているマルチサイト認識モデルを提唱(研究発表;小嶋)。このモデルはMPPへの部位特異的アミノ酸変異の研究結果を支持している。 (2) MPPの部位特異的酸性アミノ酸の変異による基質認識部位、触媒残基の同定と解析 部位特異的アミノ酸変異から、基質の塩基性アミノ酸の認識に重要な酸性アミノ酸をαサブユニットで同定した(研究発表;下方)。更にβサブユニットで基質切断反応に必須な金属結合残基、触媒残基を確認(研究発表;北田)。主にαが基質認識をβが触媒機能を持つと考えたれる。ただし、β単独では全く不活性であるため、αがβの活性を制御している可能性がある。このことは研究結果(3)と関連する。 (3) αサブユニットのグリシンリッチ領域のMPP触媒機能における重要性を証明 MPPに対しランダム変異を導入、機能欠損体を検索する実験結果から、αサブユニットのグリシンに富む領域(グリシンリッチ領域)が重要な役割を持っていることが示唆された。そこで、本年度はこの領域に部位特異的なアミノ酸置換を導入した。結果、フェニルアラニン、リシンが基質認識と触媒に寄与していることが判った。グリシンリッチ領域の特定残基がMPPの活性制御に関与している可能性がある。 今後、これら変異体の機能とMPPの構造解析(現在進行中)の結果を照らし合わせて基質認識と切断機構を更に詳しく解明していきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 下方国稔: "Role of α-Subunit of Mitochondrial Procesing Peptidase in Substrate Recognition" The Journal of Biological Chemistry. 273. 25158-25163 (1998)
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[Publications] 小嶋克彦: "Cooperative Formation of Substrate-Binding Pocket by α- and β-subunits of Mitochondrial Processing Peptidase" The Journal of Biological Chemistry. 273. 32542-32546 (1998)
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[Publications] 北田栄: "Glutamate Residues Required for Substrate Binding and Cleavage Activity in Mitochondrial Processing Peptidase" The Journal of Biological Chemistry. 273. 32547-32553 (1998)