1997 Fiscal Year Annual Research Report
核内低分子RNAキャッピング酵素の構造と活性制御機構
Project/Area Number |
09780582
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
榛葉 繁紀 日本大学, 薬学部, 助手 (20287668)
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Keywords | SnRNA / キャッピング酵素 |
Research Abstract |
真核生物において核内低分子RNA(snRNA)は全RNA量の約1%を占めその機能は生理的に非常に重要であり、pre-RNAあるいはpre-RNAのスプライシング反応に関与している。U6 snRNAのキャップ構造形成を司るキャッピング酵素はわれわれによりHeLa細胞より精製されており分子量約130kDaのタンパク質であること、さらにはこのキャッピング酵素が多種のRNAのキャップ構造に関与していることをが明らかにされている。またこのキャッピング酵素の部分アミノ離配列をGene Bankにおいて探索したところ、HUMORF5(ヒューマゲノムプロジェクトにおいて、見出されたタンパク質で、その生理機能は不明である)であることが明らかになった。また、prositeを用いて検索したところ、このタンパク質中に二つのRNA結合部位が存在することが示された。そこで基質RNAとして28S RNA,18S RNA,U4 snRNA,U6 snRNA,prolactin mRNAを用いてHUMORF5とのUVクロスリンキング実験を行ったところU6 snRNAとのみHUMORF5との複合体を形成した。さらにゲルシフトアッセイ法を用いてRNA結合活性を検討したところHUMORF5は用いたpoly A,poly U,およびpoly Cのうちpoly Cのみと選択的に複合体を形成した。以上の結果よりヒューマンゲノムプロジェクトにおいて見い出されたHUMORF5はその構造内にRNA結合モチーフを有し、さらにはUVクロスリンキング法およびゲルシフトアッセイ法によりこの蛋白質がRNA結合活性を有していることが明らかになった。特にU6 snRNAに選択的に結合したことならびにそのアミノ酸配列からこの蛋白質がMeppp構造の形成を司るキャッピング酵素であることが示唆された。
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