1998 Fiscal Year Annual Research Report
核内低分子RNAキャッピング酵素の構造と活性制御機構
Project/Area Number |
09780582
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
榛葉 繁紀 日本大学, 薬学部, 助手 (20287668)
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Keywords | 核内低分子RNA / キャップ構造 / キャッピング酵素 |
Research Abstract |
ヒトU6snRNAキャッピング酵素のcDNAクローニング過程において我々はこの酵素と相似性をもつ蛋白質p110^<nrb>を単離した。このp110^<nrb>のcDNA配列はヒトゲノムプロジェクトにおいて見い出された未知の蛋白質と同一のものであった。また線虫においてもこの蛋白質の配列は一部保存されていた。詳細なモチーフ検索を行った結果、このp110^<nrb>は非常に酸性であり(pI5.28)、核移行シグナルおよびRNPモチーフを有していることが明らかとなりこの蛋白質のRNA結合活性が予測された。そこでノースウェスタン法によりRNA結合活性を検討したところこの蛋白質がRNAとの結合性を有していることが示された。またこの蛋白質の抗体を作成し細胞内分布を検討したところ、核質に均一に分布していることが示された。またヒトの各臓器における発現をノーザンプロッティング法により検討したところ検討した各臓器すべてにおいてほぼ同程度の発現が観察された。以上の結果より、本研究で見い出されたp110^<nrb>は各臓器に普遍的に存在するRNA結合蛋白質であり、進化の過程においても保存されていることから細胞の恒常性を保つうえで重要な機能を果たしていると考えられる。またこの蛋白質はヒトゲノムプロジェクトにおいて見い出された未知の蛋白質と同一のものであることからヒトゲノムプロジェクト後の発展に関しても有用な知見であると考えられる。
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Research Products
(1 results)