1997 Fiscal Year Annual Research Report
FプラズミドSopB蛋白質を核とする多要素DNA蛋白質複合体の構造生物学
Project/Area Number |
09780612
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
花井 亮 立教大学, 理学部, 講師 (30287916)
|
Keywords | Fプラズミド / 染色体分配 / サイレンシング / DNAトポロジー |
Research Abstract |
F-プラズミドが宿主大腸菌細胞の分裂に際し1個づつ分配されつ機構を分子生物物理学的に理解するために、この分配機能の中心的役割を果たしているSopB蛋白質を核とした多要素DNA-蛋白質複合体における構造と機能の相関を明らかにするのが、本研究の目的である。平成9年度は次のようは研究実績があった。 1.SopB蛋白質と相互作用する大腸菌構造の同定 大腸菌の可溶成分中にSopB蛋白質に結合するものとして33kDaのタンパク質の存在が報告されていたが、大腸菌側との相互作用に必須であるSopB蛋白質のN末端ドメインに、特異的に結合するものは、可溶成分の中には見出されなかった。SopBを発現した大腸菌から膜を分離したところ、SopB蛋白質は内膜分画に見出された。これは、SopB蛋白質の相互作用の相手が内膜に存在することを直接示す初めての証拠である。可溶化によって、SopB蛋白質に相互作用する蛋白質を検索したところ,33kDaと140kDaのものを見出した。 2.SopB蛋白質の構造と機能 SopB蛋白質が多量に発現されると、結合サイトSopC近傍の遺伝子が抑制の起こらない変異体を多数単離した。また、この中から、細胞内での局在の起こらないものを見出した。現在変異部位を同定中である。 3.SopB蛋白質DNAの複合体の結晶化 N末端側の欠くSopB蛋白質とDNAオリゴマーとの複合体の結晶化を試みているが、結晶はまだ得られていない。 4.DNAの高次構造 SopB蛋白質の結合により、DNAのトポロジーが変化することが知られている。DNAのトポロジーと粘着末端構造のと関係を明らかにした。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Hanai,R.,Yazu,M.,& Hieda,K.: "On the distincition between single-and double-strand breaks in circular DNA" International Journal of Radiation Biology. 印刷中.