1997 Fiscal Year Annual Research Report
プラストシアニンの銅原子取り込み過程における分子シャペロンの役割
Project/Area Number |
09780613
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
日比野 隆 名城大学, 理工学部, 助手 (70218741)
|
Keywords | シャペロニン / DnaK / プラストシアニン / フォールディング / 耐塩性ラン藻 / Aphanothece halophytica |
Research Abstract |
1.耐塩性ラン藻Aphanothece halophyticaの分子シャペロン(DnaK)およびプラストシアニン(前駆体および成熟体)を大腸菌で発現させ、精製した。 (1)大腸菌で発現させたDnaKは、大腸菌を破壊した後、硫酸アンモニウム分画を行い、陰イオン交換およびゲル濾過クロマトグラフィーにより、精製した。 (2)成熟体プラストシアニンは、大腸菌のペリプラズマ画分を回収した後、硫酸アンモニウム分画を行い、陰イオン交換クロマトグラフィーにより、精製した。 (3)前駆体プラストシアニンは、大腸菌の不溶性画分を回収した後、尿素で可溶化、尿素存在下で陰イオン交換およびゲル濾過クロマトグラフィーにより、精製した。 2.精製した分子シャペロン(DnaK)の生化学的性質を検討する。 耐塩性ラン藻A.halophyticaのDnaK蛋白質が現在報告されているDnaK蛋白質と同じATPase活性,蛋白質フォールディング活性を示すかのかどうか検討した。 その結果、ATPase活性,蛋白質フォールディング活性のいずれにおいても、極めて高い塩濃度(1M NaCl,KCl)でも活性を示すことが明らかになった。 3.精製したプラストシアニンへの銅原子取り込みに分子シャペロンが関与するかどうか検討する。(現在、この研究課題について検討している。) (1)変性剤で変性させたプラストシアニンのDnaKの存在する溶液に希釈することにより銅原子取り込みが生じるのかどうか検討している。 (2)プラストシアニンとDnaKの量比、塩依存性、反応速度等について検討している。
|