1997 Fiscal Year Annual Research Report
tRNAに由来するRNA性転移因子初期生成モデルの検証
Project/Area Number |
09780626
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大島 一彦 東京工業大学, 生命理工学部, 講師 (60282852)
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Keywords | レトロウイルス / SINE |
Research Abstract |
レトロウイルスの逆転写酵素領域を増幅するように設定したPCRによって、クサガメ、及びヘビクビガメのゲノムにプロウイルス様の配列が存在することが示された。このPCR産物をクローン化し塩基配列を解析した結果、クサガメ、及びヘビクビガメには、各々少なくとも3種類のプロウイルスが存在することが確認された。 次に5'LTR領域の塩基配列の決定を目指して、2種のカメのゲノムライブラリーを作製し、前述のPCR産物をプローブに用いてスクリーニングを行った。その結果、陽性クローンが複数得られ、その内のいくつかの配列の解析を進めた。これらのプロウイルスは、MMTVやRSV等のレトロウイルス群に高い相同性を示した。本研究を除くと、爬虫類のレトロウイルスゲノムが解析された例は極めて少なく、これまでは、哺乳類や鳥類と同様の真のレトロウイルス(LTRレトロトランスポゾンではなく)が爬虫類にも存在するか否かは定かではなかった。今回の結果は爬虫類のゲノムに哺乳類や鳥類のレトロウイルスに極めて類似したレトロウイルスがプロウイルスとして存在している事実を示している。また、これらのレトロウイルスはSINEとの関連が示唆されているグループであり、SINEの起源を考える上で興味深い。現在は、これらのプロウイルスの5'LTR領域の配列を決定するためにカセットPCR法等を用いたゲノムウォーキングにより、塩基配列の解析を進めている。
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