1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物核tRNA^<Met>前駆体のプロセッシングとスプライシングの分子機構
Project/Area Number |
09780636
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
赤間 一仁 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (50252896)
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Keywords | tRNAスプライシング / tRNAイントロン / tRNA^<Met> / 分子進化 |
Research Abstract |
1.変異tRNA^<Met>遺伝子の作製:イントロンを含む前駆体RNA^<Met>のどのような構造的な特性がプロセッシングとスプライシングの際の基質特異性を決定しているのかを調べるために,シロイヌナズナ核tRNA^<Met>遺伝子を含むプラスミドを鋳型として様々なオリゴヌクレオチドを用いin vitro突然変異法で,以下のような変異遺伝子のシリーズを作製した.イントロンを取り除いたもの:コンセンサス配列(GC)に置換を導入したもの:アンチコドン/イントロン塩基対の形成を破壊したもの,また第二の変異の導入によりそれを復帰させたもの,更にその塩基対のサイズを変えたもの:イントロンのサイズを変えたもの.目的の変異導入はシークエンシングで確認した.平成10年度に小麦胚芽無細胞反応系を用いてこれらの変異遺伝子転写産物のプロセッシングとスプライシング解析を行う予定である. 2.植物核tRNA^<Met>イントロンの起源の探索:陸上植物核tRNA^<Met>遺伝子に普遍的に見られるイントロンの起源を探るために,車軸藻類(シャジクモ),緑藻類(クラミドモナス,ボウアオノリ)の植物体から染色体DNAを抽出してシロイヌナズナtRNA^<Met>遺伝子配列を基に調製したプライマーを用いてPCRを行った.いずれの植物種もアンチコドンの一塩基下流にイントロンを有することが判明した.このことから,植物は緑藻類の段階でイントロンをすでに獲得したと考えられる.しかし,これらの植物種の中で系統的に下位に位置するクラミドモナスのイントロンはその長さ保存配列(GC)の欠除など大きな差異が観察された.平成10年度に紅藻類,褐藻類の植物を材料にして同様の実験を行い,植物tRNA^<Met>イントロンの起源を明らかにする.
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Research Products
(2 results)