1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780640
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮田 真人 大阪市立大学, 理学部, 講師 (50209912)
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Keywords | マイコプラズマ / 滑走運動 / 変異株 / 必須因子 |
Research Abstract |
マイコプラズマは高等動植物の組織あるいは細胞中に寄生するバクテリアである。細胞は細胞壁を持たないフラスコ型をしており、ガラスなどの表面に張りつきながらその頭部方向へ向かって滑走運動をする。この滑走運動は他のバクテリアにも見られるが、その仕組みは全く明らかになっていない。申請者が本研究で培地中の滑走に必要な因子を検討した結果、糖、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、そしてアルブミンが必須であることが明らかになった。糖はエネルギー源として働いていると考えられる。滑走運動をするマイコプラズマが、ナトリウムイオンを細胞の外に汲み出すという報告とあわせて考えると、ナトリウムイオンの必要性は、ナトリウムイオン流入が運動に直接関係していることを示唆すると考えられる。カルシウムイオンは他の細菌の例から、宿主細胞の探索に関係していると考えられる。アルブミンはマイコプラズマ細胞に取り込まれることと、その滑走運動に対する効果がアルブミンの立体構造に依存することから、滑走の機械の一部を担っていると考えられる。また申請者は、滑走に異常の見られる変異株の単離法を開発し、動きに異常のある9の変異株を取得した。その中の4つは野生株とは大きく異なる細胞形態をとり、ガラスへ全く接着しなかった。2つは正常に滑走するが、野生株より丸い形をしていた。1つは野生株より丸い細胞形態を取り、速く滑走した。1つはガラスについている時は正常に滑走するが、ガラスへの接着が悪いため滑走運動が抑制されていた。1つはガラスへの接着が悪く、接着している時でも動かなかった。
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[Publications] Zhu P.-P.: "Expression,purification and characterization of enzyme IIAglc of the phosphoenol pyruvate" Biochemistry. 36. 6947-6953 (1997)
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[Publications] Seto S.: "Characterization of dnaA gene expression in Mycoplasma capricolum" TEMS Microbiology Letters. 150. 239-247 (1997)
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[Publications] Miyata M.: "Asymmetrical progression of replication forks just after inltiation on Mycoplasma capricolum chromosome revealed by two-dimensional gel electrophoresis." Gene. 193. 39-47 (1997)
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[Publications] Seto S.: "Cell reproduction and morphological changes in Mycoplasma capricolum." Journal of Bacteriology. 180. 256-264 (1998)