1997 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質のミトコンドリ標的化に必要なHsc70/HSbJシャペロン系の解析
Project/Area Number |
09780658
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
寺田 和豊 熊本大学, 医学部, 助手 (00253724)
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Keywords | ミトコンドリア / 分子シャペロン / hsc70 / DnaJ / オルニチントランスカルバミラーゼ / ルシフェラーゼ |
Research Abstract |
サイトソルの分子シャペロンであるhsc70は、通常パートナーシャペロンとしてDnaJホモログを要求する。哺乳類のサイトソルはdj2(HSDJ/hdj-2)とdj1(hsp40/hdj-1)の2つのDnaJホモログが存在する。代表者はdj2の生化学的な特徴を調べると共に、タンパク質のミトコンドリア輸送と変性させたホタル・ルシフェラーゼの巻き戻しにどちらのDnaJホモログが必要なのか検討した。 1)まずhsc70、dj2、dj1に対する抗体をそれぞれ結合させた3種類のレジンを作成し、in vitroの翻訳系で用いられるウサギ網状赤血球ライセ-トから、それぞれのシャペロンを除去する系を開発した。 2)オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)前駆体をdj2を除去したウサギ網状赤血球ライセ-トで翻訳し、ミトコンドリアへの取り込み実験を行ったところ、コントロールに対して1/3に低下した。こんの低下は、昆虫細胞で発現させたHis_6-dj2を再添加すると回復した。これに対してdj1の除去はOTC前駆体の取り込みに影響しなかった。 3)次に、サイトソルでのfolding反応のモデル基質として変性させたホタル・ルシフェラーゼを用いてライセ-ト中のどのシャベロンが必要なのか検討した。変性はルシフェラーゼは未処理のライセ-ト中で効率よく再生するが、dj2やhsc70を除去すると再生効率は著しく低下した。この低下は再添加によってほぼ完全に回復した。dj1の除去は効果なかった。さらに、精製したシャペロンによる再構成系においても確認された。 以上より、タンパク質のミトコンドリア輸送とタンパク質の巻き戻しには、共にhsc70-dj2シャペロン系が関与することが明かとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Terada,K.,et al.: "The human DnaJ homologue dj2 facilitates mitochondrial protein import and luclferase refolding." The Journal of Cell Biology. 139(5). 1089-1095 (1997)
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[Publications] Kanazawa,M.et al.: "HSDJ, a human homolog of DnaJ, is involved in protein import into mitochondria." The Journal of Biochemistry. 121(5). 890-895 (1997)
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[Publications] Terada,K.,et al.: "Participation of the import receptor Tom20 in protein inport into mammalian mitochondria : Analyses in vitro and in cultured cells." FEBS Letters. 403(3). 309-312 (1997)
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[Publications] Yano, M.et al.: "Visualization of mitochondrial protein import in cultured mammalian cells with green fluorescent protein and effects of overexpression of the human import receptor Tom20." The Journal of Biological Chedmistry. 272(13). 8459-8465 (1997)
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[Publications] 寺田和豊: "ミトコンドリアへのタンパク質輸送" 細胞. 29(13). 487-490 (1997)