1997 Fiscal Year Annual Research Report
クローン化により同定した焦点接着に局在するタンパク質、CBP-1、の機能の解明
Project/Area Number |
09780660
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
青砥 宏 札幌医科大学, 医学部・附属がん研究所, 助手 (30285001)
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Keywords | タンパク質チロシンキナーゼ / CAKβ / FAK / パキシリン / Hic-5 / 焦点接着 / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
私達は、FAK分子族に属する第2のタンパク質チロシンキナーゼをクローン化し、これを細胞接着キナーゼβ(CAKβ)と命名した。CAKβに共役するシグナル伝達路を明らかにするために、CAKβC-ドメインをプローベに用いてヒト脳cDNAライブラリーをスクリーニングし、CAKβ結合タンパク質(CBP-1)のcDNAをクローン化した。CBP-1は、Hic-5のヒトホモログである事が明らかになった。Hic-5は焦点接着に局在した。Hic-5アミノ酸配列は、焦点接着局在タンパク質であるパキシリンに最も近縁であった。Hic-5とパキシリンは、そのNドメインがCAKβおよびFAKのCドメイン後半部分と特異的に結合した。抗Hic-5抗体を用いて、WFB細胞抽出液からHic-5を免疫沈降すると、CAKβが共沈した。WFB細胞におけるCAKβのチロシンリン酸化は、血清、リゾホスファチジン酸(LPA)、エンドセリンなどによる刺激、および高浸透圧刺激で亢進するが、これらCAKβを活性化する刺激でHic-5のチロシリン酸化も亢進した。Hic-5とCAKβとの結合は、Hic-5のチロシンリン酸化に重要であることを示唆する結果が得られた。Hic-5のチロシンリン酸化部位を同定し、そこに結合するシグナル伝達タンパク質を同定した。tet系やアデノウイルスベクターを用いHic-5を過剰発現したが、焦点接着の形成、細胞の伸展接着性、細胞の運動・浸潤能及び細胞の増殖能に顕著な影響は認められなかった。Hic-5とパキシリンとは共に焦点接着に局在するが、その機能は異なっている可能性が強く、今後の研究により、Hic-5の機能を明らかにする必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Matsuya,Manabu: "Cell adhesion kinaseβ forms a complex with a new member,Hic-5,of proteins localized at focal adhesions." J.Biol.Chem.273・2. 1003-1014 (1998)
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[Publications] Ishino,Masaho: "Identification of an Efs isoform that lacks the SH3 domain and chromosomal mapping of human Efs." Oncogene. 15・14. 1741-1745 (1997)
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[Publications] Ohba,Takeaki: "Interaction of two proline-rich sequences of cell adhesion kinase β with SH3 domains of p130^<Cas>-relatedproteins and a GTPase-activating protein,Graf." Biochemical J.330・3. 1243-1254 (1998)