1998 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞由来の神経細胞の生存に関わる新たな因子の発見とその作用機構の解析
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09780671
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三苫 純也 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, フロンティア研究員 (10281627)
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Keywords | 海馬神経細胞 / 海馬アストロサイト / ニューロングリア相互作用 / L-セリン / 3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、海馬アストロサイトから放出される非必須アミノ酸L-セリンが海馬神経細胞の生存及び突起伸長を促進することを見いだした。さらに、神経細胞ではL-セリン濃度が極めて低いことが、神経細胞の脂質分析より示唆された。本年度は、神経細胞及びアストロサイトにおいてL-セリン合成の調節がどのように行われているかを知ることを目的とした。 L-セリンの合成は解糖系の中間物質である3-ホスホグリセリン酸から3段階の酵素反応によって行われる。そのうち律速段階で最初の反応を触媒する、3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素 (3PGDH)が最も重要であると考えcDNAクローニングを試みた。この酵素は既にクローニングされているため、ラット3PGDHのcDNAをPCRによって得た。培養7日目の海馬神経細胞とアストロサイトの総RNAを用いて、3PGDHのcDNAをプローブにNorthern Blottingを行なったところ、アストロサイトには豊富に発現しているが、神経細胞にはほとんど発現していないことがわかった。 次に3PGDHを大腸菌で大量発現してウサギポリクローナル抗体を調製した。培養7日目の海馬神経細胞とアストロサイトの総タンパク質を調製し、Western Blottingを行なったところ、Northern Blottingの結果と同じく、アストロサイトにのみ豊富な発現が認められた。さらに、Immunocytochemistryによってもこのことが証明された。 本研究により、3PGDHはアストロサイトにはかなりの発現が見られるが、神経細胞にはほとんど発現していないことがわかった。このことは、L-セリンが神経細胞にとっては必須アミノ酸であり、アストロサイトから供給されていることを強く示唆する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 三苫純也、笠間健嗣、古屋茂樹、平林義雄: "Occurrence of an unusual phospholipid, phosphatldyl-L-threonine, In cultured hippocampat neurons:exogenous L-serine is reguired for the symthesis of neuronal phosphatidyl-L-serine and sphingolipids" Journal of Biological Chemistry. 273. 19363-19366 (1998)
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[Publications] 古屋茂樹、三苫純也、牧野麻美、平林義雄: "Ceramide and its Interconvertible metabolite sphingosine function as indispensable llpid factors Involved in survival and dendritic differentistion of cerebellar Purkinjie cells" Journal of Neurochemistry. 71. 366-377 (1998)
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[Publications] 三苫純也、古屋茂樹、平林義雄: "A novel metabolic communication between neurons and astrocytes:non-essential amino acid L-serine released from astrocytes is essential for developing hippocampal neurons" Neuroscience Research. 30. 195-199 (1998)