1997 Fiscal Year Annual Research Report
肢芽軟骨形態形成を支配するHoxa-13の標的遺伝子の探索
Project/Area Number |
09780679
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横内 裕二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60252227)
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Keywords | ニワトリ / 軟骨 / 肢芽 / Ihh / Hox / ptc / BMP7 / 標的遺伝子 |
Research Abstract |
Hoxa-13の異所的な過剰発現によって前腕部に形成される長骨の伸長と分化が抑制され、手首のみ形成される短骨が形成された。この結果によりHoxa-13は軟骨細胞の増殖および分化を支配する遺伝子を抑制することによって軟骨の領域特異的な形態形成を支配している可能性が考えられる。 そこで我々は軟骨細胞の増殖、分化を制御する因子がHoxa-13の標的遺伝子であると考えて、以下の3遺伝子(lhh,ptc,Bmp-7)に注目した。Ihh(Indian hedgehog)はhedgehog familyに属する分泌性のタンパクであり、長骨軟骨におけるprehypertrophic zone において発現し、肥大化軟骨細胞の分化を制御していると考えられている。ptc(patched)は、hedgehog familyに共通するレセプターで有り、長骨軟骨の幹部周辺に隣接するperichondriumにおいて発現する。Bmp-7はTGF-beta superfamilyに属する増殖因子であり軟骨細胞の増殖を促進することが知られている。長骨軟骨においてBmp-7は軟骨幹部に隣接する肢芽間充織細胞において発現し軟骨細胞の増殖を支配していると考えられている。 我々はこれらがHoxa-13によって制御されていると考えてHoxa-13過剰発現肢芽におけるこれらの遺伝子群の発現パターンを解析した。ptc,Bmp-7の発現パターンに大きな変化は見られなかった。一方Ihhの前腕部軟骨における発現の消失が観察された。このことから、IhhはHoxa-13によってその発現が変化することから、Hoxによる遺伝子制御カスケードの下流に位置することが明らかになった。今後はIhhが直接の標的遺伝子であることを証明する必要がある。
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