1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780691
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
船山 典子 北里大学, 理学部, 助手 (30276175)
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Keywords | 側板中胚葉 / 壁側中胚葉 / 臓側中胚葉 / ニワトリ胚 / BMP / 中胚葉分化 / 外胚葉 / noggin |
Research Abstract |
本年度は、二種類の側板中胚葉のうち、解析を進めてきた壁側中胚葉(Smt-m)の性質について、第二のsmt-m遺伝子マーカーを用いて、今までに得られた結果をすべて確認した。 a) Irx3は、Smt-mマーカーである。 奈良先端大学の小椋先生よりいただいたIrx3の、ニワトリ初期胚での発現パターンを解析したところ、2日胚においては、未分化な側板中胚葉では発現が認められず、壁側中胚葉(Smt-m)と臓側中胚葉(Spl-m)の二つにはっきりと形態的に分かれてから、Smt-mでのみ発現し、その後、3日胚においても、Smt-mでの発現は続いていた。このことから、側板におけるIrx3の発現はSmt-m特異的であり、Irx3は第二のSmt-m遺伝子マーカーとして有用であることが明らかとなった。 b) Irx3を用いたSmt-mの性質の誘導及び維持に関する解析。 このIrx3を用いて、具体的には以下のことを確認した。1)若いSpl-mを外胚葉とSmt-mの間に移植すると性質が変更されSmt-mの性質を示すようになる。2)若いSpl-mの性質を変更する、即ちSmt-mの性質を誘導するシグナルは外胚葉から出ている。(組み合わせ組織培養法による)3)若いSmt-mの性質を維持するためにも、外胚葉からのシグナルが必要である。(単離したSmt-mはその性質を失い、外胚葉と組み合わせ培養することで性質は維持される)4)BMP-4を発現するCOS細胞と単離したSmt-mを組み合わせ培養するとSmt-mの性質は維持され、5)BMPsのアンタゴニストであるnogginをvivoでSmt-mに作用させると、その部分のSmt-mの性質が失われることから、Smt-mの性質の維持には、BMPsが働いている可能性が高い。 以上、今までPrx1という唯一のSmt-mマーカーを用いた解析の結果と同様の結果が、Irx3を用いても得られた。即ち、[外胚葉は、Smt-mの性質の誘導と維持という二つの働きを持ち、「維持」の働きには、BMPsがシグナル分子として作用している可能性が示唆される。]という、これまでの解析が、より確実になった。
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