1998 Fiscal Year Annual Research Report
小脳病変誘発性痙攣モデルにおける神経細胞死とFos蛋白発現の関連性
Project/Area Number |
09780699
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
森 文秋 弘前大学, 医学部, 助手 (60200383)
|
Keywords | EEG / PAS / c-Fos / microglia / neuronal cell death / cerebellum / thiophene / rat |
Research Abstract |
含硫環状化合物有機溶媒であるthiopheneの継続投与後,局所性限局性痙攣,カンガルー肢位、全身性痙攣などの外見上の症状と脳波上の棘徐波複合を伴う発作が,形態学的にみた小脳並びこ大脳病変の形成にどのように関わるかを明らかにする目的で, 1) 深部電極による脳波の,長時間記録並びに同時ビデオ撮影により、投与前並びに投与後の症状の確認 2) 病理組織像(神経細胞壊死),PAS陽性物質,Fos蛋白発現,ミクログリアの発現状況の検索を実施した.その結果, I 自由運動下のラットに対して,深部電極脳波を長時間記録(コンピュータ上)し,それと同時にビデオ撮影するシステムを準備し,脳波と症状を同期化し波形を分析可能な状態とした. II このシステムにより,投与終了後,発作開始の判断の難しいチオフェン中毒モデルでも,発作波並びに発作症状の検出を行えるようになった.さらに,発作の開始後期間,累積時間の算出その他の解析などに有用で.ペン書きの場合大量に必要と思われる記録用紙の無駄を省くことができた. III 発作を起こしたラットでは発作の開始後期間,累積時簡に関連して,神経細胞壊死,PAS陽性物質,Fos蛋白,ミクログリア,の発現状況で表される小脳並びに大脳病変がより強くなる傾向がみられた. IV PAS染色は,パラフィン切片を用いた神経病理学的検索においてよく採用される方法であるが,神経病変形成過程の研究におけるその有用性について再認識させられた.
|