1997 Fiscal Year Annual Research Report
原形質性アストロサイト特異蛋白質の遺伝子クローニング
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09780702
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横尾 英明 群馬大学, 医学部, 助手 (40282389)
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Keywords | アストロサイト / モノクローナル抗体 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
我々はヒトアストロサイトの細胞同定の上でマーカーとなる新規の物質の探索を、モノクローナル抗体を開発するという手法で試み、原形質性アストロサイトのミトコンドリアに特異的に発現する新規の蛋白質を認識する抗体を開発し、PRAS-4と名付けた。本年は蛋白質そのものを大量に精製して、遺伝子クローニングに必要な情報を集めることと、ミトコンドリアそのものに注目して、ミトコンドリアの細胞生物学の基礎的研究に重点を置いた。 まず蛋白質の精製であるが、ヒトの脳は入手が困難で解析に必要な量が得られなかったために代替動物を検索し、ラットおよびウシの脳を用いて研究を行った。その結果、ウシにおいてはヒトとほぼ同様な抗原蛋白の分布を示し、分子量もヒトとほとんど同じであることが明らかとなり、今後の研究にこの方面での道が開けた。一方、代表的な実験動物であるラットでは、ヒトと相同なPRAS-4抗原の存在は示されたものの、抗体との親和性が十分でなく、分子量も若干異なっていた。特に我々の開発した抗体が十分に使えないことで、今後実験を継続していくためにポリクローナル抗体の開発が急務と判断された。 また、ミトコンドリアの細胞生物学的な研究の手始めとして、あらゆる細胞のミトコンドリアを特異的に認識するモノクローナル抗体の開発に成功した。詳しい抗原の同定は進んでいないが十分な特異性と抗原親和性があり、この抗体の開発が意味するものは大きく、機能の未だ不明なPRAS-4抗原蛋白をin vivo,in situ で解析する上で、非常に有効な指標を得たことになる。
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