1997 Fiscal Year Annual Research Report
機能的神経回路形成・シナプス可塑性に関わる新規シナプス蛋白質の同定と機能解析
Project/Area Number |
09780719
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
永野 隆 新潟大学, 脳研究所, 助手 (70272854)
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Keywords | 神経回路成熟 / 遺伝子クローニング / GAG repeat / γ-グルタミルトランスペプチダーゼ |
Research Abstract |
本研究は、生後1日及び90日のラット脳シナプス膜画分を抗原として作成した2種の抗体で脳の遺伝子発現ライブラリーを差分スクリーニングし、神経回路の形成・成熟に関わる新たな蛋白の遺伝子を得ようとするものである。実験は(1)スクリーニングに用いる抗体の作製、(2)遺伝子発現ライブラリーの準備、(3)抗体を用いたライブラリーのスクリーニング、(4)遺伝子の単離とその構造(塩基配列)の解析、(5)遺伝子産物(蛋白)の機能の解析の5段階に大別され、9年度は(4)を中心として実施した。 生後90日ラツト脳より作製した遺伝子発現ライブラリー5×10^5クローンを上記2種の抗体でスクリーニングし、生後1日由来の抗体より生後90日由来の抗体と強く反応する3種類の未知遺伝子(RNAブロット解析によるそれらのmRNAの大きさは約9.5Kb・3.5Kb・3.2Kb)を同定した。塩基配列の解析から、約9.5KbのものはCAG repeatを有する遺伝子であり、また約3.2Kbのものはγ-グルタミルトランスペプチダーゼと類似したアミノ酸配列を持つ蛋白の遺伝子であることが示唆された。前者については抗ペプチド抗体を作製し、それも用いて現在蛋白の分布を組織・細胞レベルで調べている。また後者については組み換え蛋白を作成し、酵素活性(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ活性)について検討している。
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