1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780721
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
星 直人 金沢大学, 医学部, 助手 (90229170)
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Keywords | 電位依存性カリウムチャンネル / チャンネル制御分子 / 分子生物学 / 小脳 |
Research Abstract |
小脳より抽出したmRNAを注入し不活化しないK電流(lK(ni))をアフリカツメガエル卵母細胞に再構成すると、1996年にWatkins,Marthieらによって記載されたlK(SO)と良く似た電流が観察された。即ち、-60mV以上の深い膜電位から活性化が始まり、20分以上にわたって不活化せず、細胞内Ca上昇を伴うホルモン刺激で一過性に抑制された。 本研究では、lK(ni)の分子情報を得るため、遺伝子クローニングを実施し小脳cDNAライブラリーより1つの遺伝子(KCR1)を得た。この遺伝子がコードしていたタンパクは、12回の膜貫通領域をもち、酵母、線虫のゲノムプロジェクトで見つかったものと20-35%の相同性を持っていたが、ほ乳類ではまだ知られていない新規のタンパクであった。 この遺伝子cRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入したが、チャンネル活性は認められなかった。このことは、このタンパクがKイオン透過路構造を持っていないこととから予想されていた。そこで、このタンパクが、Kチャンネルの制御タンパクであろうと仮定し、小脳で発現している既知の電位依存性Kチャンネルと卵母細胞に共発現し、電流性質変化の有無を調べた。この実験から、ラットeag Kチャンネルの性質を変えることがわかった。ラットeag Kチャンネルは、細胞外Mg存在下で、ゆっくり(100msec)と活性化するが、KCR1と共発現すると、この活性化が、速く(〜5msec)なることがわかった。また、ラットeag Kチャンネルは、再構成した不活化しないK電流の構成要素であることもアンチセンスを用いた実験から明らかになった。 生化学的に2つのタンパクが、結合しているかを、免疫沈降とFar-westernブロッティングで確かめたところ、これらは複合体を形成していることが確認でき、このことは電気生埋のデータを支持した。
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