1997 Fiscal Year Annual Research Report
放射性トレーサーによる神経受容体のインビボ活性とシナプスの電気生理的活性の相関
Project/Area Number |
09780723
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 薫 大阪大学, 医学部, 助手 (90256933)
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Keywords | インビボ / 神経受容体結合 / 海馬 / 海馬顆粒細胞 / 集合シナプス電位 |
Research Abstract |
本研究はインビボの系で放射性トレーサーにより測定された神経受容体の結合能が生理的な神経活動とどの様な関連があるかを探る目的で実施されているため、2つの面から実験を進めていく必要がある。 一つはより生理的な環境下(無麻酔、無拘束)において受容体の活動を定量的に測定する系を確立することである。このために本実験では電気生理学測定を用い穿通枝刺激による海馬顆粒細胞の集合後シナプス電位測定系を確立する準備を進めた。Free Moving下の条件でこれらの測定を高精度かつ後S/Nで測定するため、ラット頭蓋上に超小型低ノイズオペアンプを配置し、集合電位を連続で記録するためのデータ収集システムを構築した。また反回神経のGABA-Bz系の活性を定量評価するための2回連続刺激による抑制率測定系およびデータ処理システムを合わせて構築した。次年度はこれらのシステムにより様々な負荷系でシナプスの伝達効率およびGABA-Bz系の活性がどのように変化するかを測定する予定である。 またもう一つの測定系であるインビボのレセプター活性を定量評価するための基礎実験として、^3H-Ro15-1788(Ro15-4543)を用いたインビボのオートラジオグラフィーを行い、海馬の層構造におけるGABA-Bz受容体の分布を検討した。次年度はこれらの分布データを元に上記の負荷系においてインビボのGABA-Bz受容体結合がどの様に変化するかを検討する予定である。またこの際にBz系薬物の効果を合わせて検証することで薬物の受容体占有率とその効果を詳細に検討していく予定である。
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