1998 Fiscal Year Annual Research Report
小脳顆粒細胞のアポトーシスにおけるICEファミリープロテアーゼの関与と活性化機構
Project/Area Number |
09780732
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
田中 正彦 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (60267953)
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Keywords | CPP32(カスパーゼ-3) / PI3キナーゼ / IGF-I / insulin / アポトーシス / 小脳顆粒細胞 / 切片培養系 / ラット |
Research Abstract |
ラット小脳の切片培養系を用いて、顆粒細胞の発生段階特異的なアポトーシスへのinterleukin-1β converting enzyme(ICE)ファミリープロテアーゼ(カスパーゼ)の関与とその活性制御機構の解明を進めた。我々が確立したこの系では、培地中にinsulinやIGF-Iを添加しない場合に外顆粒層の顆粒細胞がアポトーシスを起こす。前年度の研究により、このアポトーシスへのカスパーゼの関与とその発現・活性化様式が明らかになった。今年度は本研究の後半として、CPP32(カスパーゼ-3)の活性化様式についての更なる解析及びカスパーゼの活性制御におけるphosphatidylinositol-3(PI3)キナーゼやMAPキナーゼの役割の解析を行い、以下のことを明らかにした。1. アポトーシスを起こしている顆粒細胞でのカスパーゼ-3の活性化をin situで調べるために、活性型カスパーゼ-3特異的抗体を用いた免疫組織染色とTUNEL法との蛍光二重染色を行った。その結果、アポトーシスを起こしている顆粒細胞の10-30%で活性型カスパーゼ-3が検出された。この二重陽性率は、in vivoの新生仔小脳においても同様であった。このアポトーシスの少なくとも一部にカスパーゼ-3が関与していることが示されるとともに、それ以外のアポトーシス機構が存在する可能性も示唆された。2.InsulinやIGF-Iがこのアポトーシスを防御する際のシグナル伝達にPI3キナーゼやMAPキナーゼの経路が関与しているかを調べるために、insulin存在下で各キナーゼの阻害剤を添加し、アポトーシスが誘導されるかどうかを見た。その結果、PI3キナーゼ阻害剤によってアポトーシスが誘導されたが、MAPキナーゼ阻害剤によってはアポトーシスが誘導されなかった。この発生段階の顆粒細胞内で生存を維持するようにカスパーゼが抑制される機構に、IGF-I受容体-PI3キナーゼを介するシグナル伝達経路が関与していることが示唆された。
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[Publications] 田中正彦: "Cerebellar slice culture system as a tool for analyzing brain organization in vitro." Proc.2nd R.I.E.C.Intl.Symp.161-164 (1998)
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[Publications] 田中正彦: "Insulin-like growth factor-I analogue prevents apoptosis mediated through an ICE(caspase-1)-like protease of cerebellar external granvlar layer neurons." Neuroscience. 84・1. 89-100 (1998)
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[Publications] 田中正彦: "Comparative study of involrement of caspase-1- and caspase-3-like proteases in the developmental stage-specific apoptosis of cerebellar granule neurons." Soc. Neurosci, Abstr.24. 1789 (1998)
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[Publications] 田中正彦: "IGF-I analog prevents apoptosis mediated through caspase of rat cerobellar external granular layer neurons." Neurochem. Res.24・1. 134 (1999)