1997 Fiscal Year Annual Research Report
長期増強現象誘導に伴う海馬神経細胞の樹状突起部位のケーブル特性の変化の解析
Project/Area Number |
09780741
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高木 博 信州大学, 医学部, 講師 (80247220)
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Keywords | 海馬錐体細胞 / 樹状突起 / Kチャネル |
Research Abstract |
海馬CA1錐体細胞に存在する2種類のKチャネルのシナプス信号統合機構における役割 海馬CA1領域の錐体細胞の樹状突起部には少なくとも6種類のKチャネルが存在することが報告されている。このうちA型KチャネルとD型Kチャネルは特に高密度に存在することが知られている。これらのKチャネルは樹状突起部位でのシナプス信号の統合機構に関与していることが示唆されてきた。実際A型Kチャネルについては最近シナプス信号の統合機構に関与していることが実験的に証明された。しかしD型Kチャネルの生理的な役割は未だに不明の点が多い。そこで本研究では、海馬CA1領域の錐体細胞の樹状突起をコンパーメントモデルに基づくシミュレータであるNEURONを用いてシナプス電位の伝搬に関するD型Kチャネルの関与を検討することにより、樹状突起でのシナプス統合機構におけるD型Kチャネルの役割を明らかにした。 海馬錐体細胞の樹状突起を単一のコンパートメントにモデル化しA型KチャネルとD型Kチャネルをその密度比が生理実験で得られたものと等しくなるようにした。単一コンパートメントの一端に発生したシナプス電位はその伝搬に際し,A型及びD型Kチャネルにより減衰を受けることが分かった。更には、単一のシナプス電位の場合はA型に比べてD型が減衰に関与が大きく、連続したシナプス入力場合は、単一入力の時とは逆に二つ目のシナプス電位はD型に比べてA型が減衰に大きく関与していることが分かった。 これらの結果はA型、D型Kチャネルは海馬CA1領域錐体細胞の樹状突起部でのシナプス電位の減衰に関与しており互いに相補的に機能していることを示唆している。
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[Publications] Nobuyuki Suzuki: "Facilitation of Ca^<2+> Action Potential Freguency by a Small G Protein Rab3A in Rat Pituitary GH_3 Cells" Biochem.Biophys.Res.Comm.235. 331-335 (1997)
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[Publications] 小谷 進: "同時多点計測法により観察される海馬の長期増強現象" Journal of Advanced Science. 印刷中 (1998)
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[Publications] Shigeo Watanabe: "Different roles of two types voltage-gated Ca^<2+> channels in rat Cerebellar Purkinje neurous." Brain.Res.in press (1998)