1997 Fiscal Year Annual Research Report
GnRHサージ機構の老化における胎児型GADの役割
Project/Area Number |
09780742
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
船橋 利也 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70229102)
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Keywords | サージ / 視索前野 / 胎児型GAD / エストロジェン / GAD67 / RT-PCR / ラット / 老化 |
Research Abstract |
本研究は、GnRHサージジェネレーターの老化と,胎児型GADの関係を明らかにすることを目的としている。平成9年度は,以下の2点を明らかにした。 1.エストロジェンによる胎児型GADmRNAの調節 まず,胎児型GADmRNAの同定を試みた。逆転写PCR法によりGAD67mRNAおよび胎児型GADmRNAに相当するcDNAを得た。直接シークエンスにより意図したものであることを確認した。これらをプローブとしてノーザンブロットにより各mRNAの検出を試みた。その結果,胎児型GADmRNAは約2kbの,GAD67mRNAは約3.5kbのバンドを認め,8週齢の成熟雌性ラットの視索前野領域においても胎児型GADmRNAが発現していることが明らかとなった。また,胎児型GADmRNAの発現量は,GAD67mRNAの10-20%であることが明らかとなった。次に,卵巣摘除成熟雌性ラットにおいて,エストロジェン投与により視索前野領域のGAD67mはRNA有意に増加し,胎児型GADmRNAは減少することが明らかとなった。従って,視索前野領域においては,エストロジェンによる胎児型GADmRNA発現の調節は,GADmRNAのそれとは逆であることが示唆された。 胎児型GAD67mRNAを発現している細胞の局在 胎児型GAD,GAD67,エストロジェン受容体の各mRNAに対するプローブを用いて,in situ hybridization法を行った。その結果,各mRNAとも視索前野の脳室周囲に強いシグナルを認めた。従って,この部位のGABAニューロンはエストロジェン受容体をもち,胎児型GADを持っていることが示唆された。
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[Publications] Funabashi,T, et al.: "Fos expression by naloxone in LHRH neurons of the mediobasal uypothatamus and effects of pentobarbital sodiom in the proestrous rat" J.Neuroendocrinology. 9. 87-92 (1997)
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[Publications] Brooks,PJ, et al: "Widespread expession and estrogen regulation of PPEIA-3' nuclear RNA in the rat brain" Proc.Natl Acad.Sci.USA. 94. 14037-14041 (1997)
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[Publications] Funabashi,T, et al.: "Bicuculline infusion advances the timing of Fos expression in LHRH neurons in the preoptic area of proestrois rats" Neuro Report. 8. 771-774 (1997)