1997 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔ラットの脳内エストロゲン受容体アイソフォームの生理機能の解析
Project/Area Number |
09780746
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
佐藤 千登世 (折笠 千登世) 日本医科大学, 医学部, 助手 (20270671)
|
Keywords | エストロゲン受容体(ER) / 新生仔ラット / アイソフォーム / 遺伝子発現 / RT-PCR / 脳 / 性ステロイドホルモン |
Research Abstract |
本研究では、性ステロイドホルモンの受容体である、エストロゲン受容体タンパク(ER)のアイソフォームの機能解析を目的としている。当該研究者は、これまで、発生成長に伴う正常型ERの発現調節の機構に注目し検討してきた。ERタンパクの出現は雌雄で異なり、雄での発現が有為に減少していた。しかし、タンパクの発現は減少していたにもかかわらず、遺伝子の発現が依然として高い脳の領域が存在する事実を見出した。これらERタンパクと遺伝子発現の不並行化現象は、特定の脳の領域での変異型遺伝子の発現にあるものと考え解析を進めた。その結果、ER変異型であるERΔ4が新生仔ラットの脳に発現している事実を見出した。雌雄によりERΔ4の発現が異なるかどうかRNase protection assayを用いて調べた結果、雌雄間及び脳の領域間での発現がほぼ等しいことがあきらかになった。これらの事実から、ERタンパクと遺伝子発現の不並行化減少に関与する変異型遺伝子はERΔ4ではないことが示唆された。そこで、本年度は、異なる種類のアイソフォームERの発現をさらに調べるために、特異的なPrimersを用いRT-PCRにより解析を進め、以下の結果を得た。アイソフォームERを検出するのに特異的なprimerを構築し解析を進めたところ、エクソン5あるいはエクソン7を欠くER-Δ5及びER-Δ7の発現が新生仔ラット脳に同様に存在する事実が明らかとなった。これらの、アイソフォームの発現はER-Δ4同様、少なかった。さらに他のアイソフォームERの可能性について、PCR等の増幅条件を変え現在解析を進めている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 折笠千登世、林しん治: "神経内分泌の観点から見たエストロゲン受容体研究の課題" ヒューマンサイエンス. (印刷中).
-
[Publications] Weiland,N.G,Orikasa,C.Hayashi,S.and McEwen,B.S.: "Distribution and hormone regulation of estrogen receptor immunoreactive cells in the hippocampus of male and female rats." J.Comp.Neurol.,. 388. 603-612 (1997)
-
[Publications] Hayashi,S.,Yokosuka,M.and Orikasa,C.: "Developmental aspects of estrogen receptors in the rat brain" Control of Reproduction : Physiology and Behavior,(In Maeda,K.and Tsukamura,H.(eds.) Japan Scietific Societies Press,Tokyo. 135-152 (1997)