1997 Fiscal Year Annual Research Report
定量性をもったパッチクランプRT-PCR法によるグルタミン酸受容体の発現量の解析
Project/Area Number |
09780763
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
都筑 馨介 群馬大学, 医学部, 講師 (60222139)
|
Keywords | パッチクランプ / RT-PCR / GluR2 / AMPA / グルタミン酸受容体 / 単一細胞 |
Research Abstract |
ニューロンに何分子のmRNAが存在し、mRNAの多寡が細胞の機能とどのような関係を持つのかは細胞レベルでは明らかになっていない。RT-PCR法は、単一細胞レベルの極微量のmRNAを検出可能なレンジに増幅する。本研究では、ホールセルパッチクランプ法によって機能を同定されたニューロンに発現するAMPA型グルタミン酸受容体サブユニットmRNA(GluR1-R4)の定量化を試みる。これは、パッチ電極に回収されたmRNAに内部標準物質を加えることによって行う。 本年度は、内部標準物質となる変異GluR2 RNAを作製した。Heinemannより譲渡されたGluR2 cDNAを持つプラスミドベクターの2099番目のCをGとする点変異導入を行った。この変異導入により、内在するBsp1286I制限酵素部位はStul制限酵素部位に置き換わった。このプラスミド(R2(B/S)からRNAをin vitro合成し、それをAMPA受容体サブユニット遺伝子GluR1-R4 cRNAおよびラット脳RNAに加え、RT-PCRを行った。PCRのプライマーとしては、GluR2のBsp1286I部位、R2(B/S)のStuI部位を含む、GluR1-R4 mRNA由来の逆転写産物を同時に増幅するものを用いた。PCR産物量の定量化は、^<32>P標識したプライマーを用いて同時に増幅されたPCR産物をGluR1-R4ならびにR2(B/S)それぞれのサブユニットに特異的な制限酵素で消化後、電気泳動分離し各サブユニット由来の産物の^<32>P量を測定することによりなされた。スタート物質として100分子以上のRNAを用いた場合、これらサブユニットは等しい効率で増幅され、それぞれの量を定量的に測定することが可能であることが分かった。
|
-
[Publications] Keisuke Tsuzuki: "Quantitative estimation of the amount of AMPA receptor subunir GluR2 mRNA exresecl in the kcbirty" Neurosci. Res.Suppl.21. s31- (1997)
-
[Publications] Keisuke Tsuzuki: "Analysis of Molecular basis of neuronal properties at a single cell level using the Patch-Clamp RT-PCR method" Jpn.J.Physiol.47-Suppl.2. SP23- (1997)
-
[Publications] 都筑馨介: "Patch Clamp PCR:神経細胞受容体のサブユニット構成の解析" 日本内分泌学会雑誌. 72・5. 741- (1997)
-
[Publications] 都筑馨介: "単一ニューロンのmRNA解析" 日本生理学雑誌. 59・7-8. 301-314 (1997)
-
[Publications] Bruno Cauli: "Molecular and physiological diversity of cortical nonpyramidal cells" J.Neurosci. 17・10. 3894-3906 (1997)
-
[Publications] 都筑馨介: "パッチクランプRT-PCR法" 神経生物学のための遺伝子導入発現研究法(吉川和明編)シュブリンガーフェアラーク東京, 162-172(183) (1997)