1997 Fiscal Year Annual Research Report
免疫力セットセオリーに基づくハンタウイルス核蛋白高度保存領域での感染防御免疫誘導
Project/Area Number |
09780775
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森松 組子 北海道大学, 医学部, 助手 (90220722)
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Keywords | HFRS / ハンタウイルス / 核蛋白 / ペプチドワクチン / 抗原提示 / 主要組織適合抗原 |
Research Abstract |
ハンタウイルスは腎症候性出血熱の原因ウイルスで、ブニヤウイルス科に属するRNAウイルスである。この研究ではハンタウイルス内部蛋白の特定のエピトープを標的抗原とする新しいタイプのペプチドワクチンの開発を目的として、マウス実験感染モデルを用いて単クローン抗体E5/G6エピトープペプチドの誘導する免疫応答とその感染防御活性について検討している。 平成10年度は、カセット配列(主要組織適合抗原結合領域)を付加した、E5/G6エピトープのペプチド抗原による免疫応答の解析を明らかにするために、ペプチドを合成しマウスに免疫し免疫応答を測定することを試みた。 1.初めに、マウスにおけるT細胞応答の測定系を確立するために、感染免疫・組換え抗原を免疫したマウスのリンパ節,脾臓のリンパ球あるいはT細胞分画を調整し、ハンタウイルス感染マクロファージ系培養細胞を標的細胞としてT細胞のProliferation試験を行った。その際、設備の問題から放射性同位元素を用いた通常の試験が行えない。非Rl測定系を確立するため代替法として報告のある、市販のテトラゾリウム塩類、酵素を比較した結果、WST-1が他の試薬と比べて比較的安定した結果が得られることが明らかになった。 2.カセット配列2種(それぞれH2d,H2b)と10個のE5/G6エピトープペプチドのうち7個を選んだ組み合わせ合計6種類のペプチドの合成および免疫を試みた。配列の関係からか収量が安定しないため、すべての組み合わせでの合成・免疫が終了していないため現在のところ比較を行うことができない。しかしながら、次年度の初めには結果を得ることができる。このため11年度の計画である、「ペプチドによって誘導された免疫の感染防御活性の解析」につなげることができると考えられる。
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