1998 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節炎症ラットにおける神経ペプチド陽性神経の分布及びその受容体の局在の検索
Project/Area Number |
09832010
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
築山 能大 九州大学, 歯学部, 助手 (10236870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 輝男 九州大学, 歯学部, 教授 (60077667)
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Keywords | 顎関節 / ラット / アジュバント関節炎 / 滑膜 / 一酸化窒素合成酵素 / 免疫組織化学 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
1. 正常ラットの顎関節滑膜における一酸化窒素合成酵素(NOS)の免疫組織ならびに免疫細胞学的局在の検索:6週齢のWistar系ラットを灌流固定し、EDTAによる脱灰後、凍結切片を作成し免疫染色に供した。ABC法にてeNOSならびにiNOSの局在を光顕および電顕にて観察した。正常ラットでは、eNOS,iNOSともに上関節腔前方部、後方部、および下関節腔後方部の滑膜表層細胞に局在が認められた。電顕による観察により、主にA型細胞にその局在が確認された。A型細胞におけるiNOSおよびeNOS陽性反応産物は、細胞質や、小胞の内部とこれを取り囲む膜上への局在への局在が認められた。また空胞の膜の一部にも陽性反応物が認められたが、その内部は常に陰性反応を示していた。さらに、関節腔に面する細胞膜の一部にもこれら合成酵素陽性反応物の局在が認められた。一方、B型細胞におけるiNOSおよびeNOSの局在は、A型細胞とほぼ一致していたが、それら反応産物はあまり多くはなかった。 2. アジュバント関節炎ラットにおけるNOSの免疫組織化学的局在の観察:平成9年度に報告した方法でLewis系ラットにアジュバント関節炎を生じさせた。関節炎ラットの顎関節滑膜におけるeNOSおよびiNOSの局在は、正常時のそれと類似していた。上下関節腔に面する増殖傾向が認められる滑膜表層細胞においては、eNOSまたはiNOSに対する陽性反応が認められた。しかしながら、正常時とは異なり、滑膜表層細胞におけるeNOSとiNOSの染色度合は、iNOSよりもeNOSのほうが強く認められた。また正常滑膜表層細胞と炎症性滑膜表層細胞におけるeNOSまたはiNOSの染色程度を比較すると、eNOSの場合、両者の間にその染色性の差は観察されなかった。一方、iNOSの場合には、正常時に比べて炎症時ではその染色性の低下が認められた。
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Research Products
(1 results)