1997 Fiscal Year Annual Research Report
各種の食べ物を咀嚼した時の心拍数とエネルギー消費量上昇に及ぼす体熱産生の応答
Project/Area Number |
09832011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
永田 由美子 昭和女子大学, 生活科学部・生活科学科, 助教授 (60054152)
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Keywords | 心拍数 / エネルギー消費量 / 腋下温度 / 鼓膜温度(直腸) / 呼吸商 |
Research Abstract |
主食として親しまれている米飯を検査食として、歯に異常がない健康な女子学生10名に同一検査食を3回咀嚼させた。日本産のこしひかり(1997産)を同一エネルギー摂取量となるように重量を変え、物性は25:1となるように炊いた飯を検査食とした。この2種類の検査食を咀嚼させた時の心拍数と酸素消費量から求めたエネルギー消費量を咀嚼前の安静時10分から咀嚼(5分)後60分間測定した。 この結果、咀嚼時の心拍数は上昇し、咀嚼後は安静よりやや高いレベルで60分間まで継続した。物性の差(硬さ)の違いによる有意な差は見られなかった。この変動値は同様の検査食を咀嚼することなくえん下させた時(コントロール)より高値であった。エネルギー消費量は心拍数とパラレルな変動を示した。このように、咀嚼することによって心拍数とエネルギー消費量が上昇することについて腋下温度・鼓膜温度から求めた直腸温度・呼吸商を測定下した。この結果、腋下温度は咀嚼後しだいに上昇し、摂取後60分まで継続し、咀嚼した場合が高値であった。直腸温度は咀嚼後30分まで上昇し、以後60分までしだいに低下する傾向を示し、咀嚼したか否かの差異は見られなかった。呼吸商は硬く炊いた米飯を咀嚼した後、高いレベルでプラトーに変動し、軟らかい米飯を咀嚼した場合は咀嚼後30分から上昇する傾向を示した。一方、咀嚼しなかった場合は30分から上昇する傾向を示したことは、遅れて糖質の消化が高まったことが示唆された。このように“咀嚼すること"はDITの影響を受けて、エネルギーの産生と放散とが同時に生じ、硬い米飯を咀嚼した場合の方がエネルギーの放散が大きいことが示唆された。
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